カテゴリー「成人T細胞白血病」の6件の投稿

2012年1月18日 (水)

成人T細胞白血病:がん増殖の仕組み解明 東大チーム

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成人T細胞白血病:がん増殖の仕組み解明 東大チーム - 毎日jp(毎日新聞)

 有効な治療法がないウイルス性のがん「成人T細胞白血病」(ATL)について、渡辺俊樹・東京大教授らのチームが、患者のがん細胞にある「マイクロRNA」(miRNA)と呼ばれる分子を調べ、がんが増殖する仕組みの一端を解明した。新たな治療法の開発につながる成果といい、論文は17日付の米専門誌「キャンサー・セル」に掲載された。

 miRNAは細胞内の小さな分子で、細胞内で作られるたんぱく質の種類や量を調整する働きがある。渡辺教授らは、ATL患者40人の血液に含まれるがん細胞のmiRNAを調べ、約1000種類あるmiRNAの一種「miR-31」の量が、健康な人の250分の1以下に減っていることを突き止めた。

 患者のがん細胞では、がん細胞増殖を促すたんぱく質が異常に活性化していることが知られている。患者6人のがん細胞にmiR-31を入れたところ、がん細胞が死んだことから、miR-31が減ることでこのたんぱく質が活性化し、がん細胞を増やしていると結論付けた。

 ATLは白血病の中でも最も治療が難しいとされ、現状の抗がん剤治療では、発症した人の約半数が1年以内に死亡するとされる。渡辺教授は「miR-31をどのようにがん細胞に送り込むかを研究し、新たな治療法の開発につなげたい」と話す。【斎藤広子】

◇ATL

 「HTLV-1」というウイルスが引き起こす血液のがん。感染者は国内に約110万人。感染から発症までの潜伏期間が長いのが特徴で、5%程度が発症し、毎年約1100人が死亡する。他のタイプの白血病と比べて骨髄移植や抗がん剤が効きにくく、根本的な治療法は確立されていないが、6割以上は母乳を通じて感染することから、政府は妊婦健診でHTLV-1感染を調べる抗体検査費用を公費で負担している。 毎日新聞 2012年1月18日 10時57分

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2010年12月21日 (火)

ATL 母乳からうつる白血病 都道府県保健所で検査可能に

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リンク: asahi.com(朝日新聞社):母乳からうつる白血病 都道府県保健所で検査可能に - アピタル(医療・健康).2010年12月20日

 主に母乳からうつるヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV―1)の抗体検査が、都道府県の保健所で受けられるようになる。官邸の「HTLV―1」特命チームは20日、会合を開き、総合対策をまとめた。自治体によって10月に始まった妊婦を対象にした一部または全額公費負担の抗体検査に加え、一般人も手軽に検査が受けられるようになる。

 総合対策ではこのほか、保健所での感染者らへの相談支援などを盛り込んだ。厚労省に専門家や患者らによる対策推進協議会を設け、都道府県に置く母子感染対策協議会と連携する。関連疾患の研究費として、厚生労働科学研究費補助金に新たにHTLV―1の領域を設け、今年度の約5倍増となる10億円を新年度予算で確保するという。

 HTLV―1の感染者は全国に約108万人いるとされる。九州や沖縄に多く、風土病とされてきたが、最近の調査で関東や中部で増えていることがわかった。ウイルスが原因で起こる成人T細胞白血病(ATL)を患う前宮城県知事の浅野史郎さん(62)や患者団体が国に対策の充実を要望、9月、菅首相の肝いりで特命チームが設置された。

 特命チームの一人で患者代表の菅付(すがつき)加代子さん(53)は「この対策は厚労省の一部署でなく、特命チームでなければできなかった。何度も厚労省に通っても前に進まなかったが、やっと(国の対応に)血が通ったと思う」と話した。

 会合に出席した菅直人首相は「この問題にしっかり取り組むと同時に、いろいろな病気で苦しむみなさんに対するモデルとして前進できたと思っている」と述べた。

 浅野さんもビデオでコメントを寄せ、「こんなにも早く対応してもらえて感謝している」と話した。(宮島祐美)

関連過去記事

成人T細胞白血病 108万人 09/06/27

成人T細胞白血病 108万人(2 )09/06/29

ATL 母乳感染のウイルス性白血病 全国に拡大 10/04/19

白血病ウイルス検査推奨へ 学会が診療指針見直し 10/04/29

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2010年4月29日 (木)

白血病ウイルス検査推奨へ 学会が診療指針見直し

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 主に母乳を介して感染する成人T細胞白血病(ATL)が全国に広がっているため、日本産科婦人科学会が妊婦健診の血液検査で原因ウイルス(HTLV1)への感染の有無を確認するよう推奨する方針を決め、来年4月実施に向けて診療指針の改定作業を進めていることが27日、分かった。

 妊娠初期から中期にかけて抗体の有無を調べる血液検査の推奨レベルを、現在の最も低い「C」(必ずしも実施が勧められていない)から、「B」(実施が勧められる)に引き上げる。

 母親が感染していると判明した場合は、母乳を避けるなどの方法が推奨される。

 厚生労働省研究班の主任研究者、斎藤滋富山大教授は「母子感染を防ぐことが最も効率的で重要だ。推奨レベルを引き上げ、国に公費負担を求める」としている。検査費用は850~1900円で、年間約110万人の妊婦の総費用は約10億~21億円とみられる。

2010/04/27 11:54 【共同通信】

ATLに関する過去記事は

ATL 母乳感染のウイルス性白血病 全国に拡大 10/04/19

成人T細胞白血病 108万人 09/06/27

成人T細胞白血病 108万人(2 )09/06/29

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2010年4月19日 (月)

ATL 母乳感染のウイルス性白血病 全国に拡大

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リンク: asahi.com(朝日新聞社):母乳感染のウイルス性白血病、全国に拡大 検査徹底必要 - 医療・健康. 2010年4月19日3時4分

Osk201004180146

主に母乳を介して乳児に感染し、九州に多い成人T細胞白血病(ATL)のウイルス感染者が、関東地方では20年近くで1.5倍に増えるなど全国に広がっていることが、厚生労働省研究班の調査でわかった。妊婦の感染を調べる血液検査が徹底されていない実態も判明。研究班は、感染の根絶には全国的な検査の徹底が必要との提言をまとめた。

 ATLは母乳や精液に含まれるウイルスで感染する。生涯発症率は約5%と低いが、根治は困難。感染していれば母乳をやめて人工乳にするのが最も効果的とされる。

 厚労省の研究班(主任研究者、山口一成・国立感染症研究所客員研究員)は2006~07年、献血した16~65歳の男女の血液から推計。全国の感染者は107万9千人で、1990年比で11万4千人減ったが、首都圏では増えていた。人の移動が原因とみられる。

 調査の地域分けの違いで単純に比較はできないが、関東は19万人で6万2千人増、中国・四国でも増えていた。90年は九州・沖縄の感染者が全体の50.9%を占めていたが、今回45.7%まで低下。関東は10.8%から17.7%と増えた。近畿は17.0%から15.9%、北陸・東海は6.9%から7.6%だった。

 91年の厚生省(当時)研究班の報告では、発症者は全国で700人と推定され、2050年前後にほぼ根絶するとみられていた。感染者も九州に集中していたことから、厚労省は検査を妊婦健診に加えるかは自治体に委ねていた。検査費用は850~1900円。検査を公費で負担しているのは長崎や鹿児島など一部の県だけだ。しかし、ここ数年、ATLの死者は年間1100人前後で推移、発症者が増えている。

 そこで厚労省の別の研究班(主任研究者、斎藤滋・富山大教授)が全国1668カ所の産科の検査の実施状況を調査(回答率38.3%)。実施率は全国平均87.8%で、99.1%だったHIV検査に比べ徹底されていなかった。中国(79.5%)、北海道・東北(83.3%)、関東(84.6%)が低く、九州・沖縄でも87.8%にとどまった。近畿は92.2%、東海・中部は93.9%。

 研究班は「全国で検査して母子感染予防を検討する時期」と結論づけた。抗体検査で疑陽性が出る確率が高いことから精密な2次検査の必要性と、感染が見つかった妊婦の不安に対処するカウンセリング法を示した。

 斎藤教授は「妊婦も医師も関心が低い。すべての妊婦が検査を受け、対策を施せば2世代で病気を根絶できる」と話す。厚労省母子保健課は「検査の公費負担も含め検討したい」としている。(坪谷英紀)

     ◇

 成人T細胞白血病(ATL) HTLV―1というウイルスの感染が原因で起きる血液のがん。感染から50年ほどたってから発症する。抗がん剤治療や骨髄移植が行われるが、ウイルスの増殖を抑える効果的な方法がなく根治が難しい。このウイルスは、難病の脊髄(せきずい)症(HAM)も引き起こす。感染した母親が4カ月以上母乳で育てた場合の乳児への感染率は15~20%とされる。前宮城県知事の浅野史郎さんが昨年6月に緊急入院したことで関心が集まった。

過去のエントリー

成人T細胞白血病 108万人 09/06/27

成人T細胞白血病 108万人(2 )09/06/29

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2009年6月29日 (月)

成人T細胞白血病 108万人(2)

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前回の投稿、成人T細胞白血病の続きです。

立がんセンターがん情報サービスによると、

全身のリンパ節が腫(は)れたり、肝臓や脾臓(ひぞう)の腫大、皮膚紅斑(ひふこうはん)や皮下腫瘤(ひかしゅりゅう)などの皮膚病変、下痢や腹痛などの消化器症状がしばしばみられる。
成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)の病勢の悪化によって血液中のカルシウム値が上昇(高カルシウム血症)すると、全身倦怠感(けんたいかん)、便秘、意識障害等を起こす。
また、免疫能低下により、いわゆる日和見感染症を高頻度に合併する。

貧血、血小板減少は急性白血病に比べて軽度だが、白血病化した場合は、白血球数がさまざまな程度に増加する。
肝機能障害や低蛋白血症(ていたんぱくけっしょう)も高頻度にみられる。
肝脾腫大、腹腔内(ふくくうない)リンパ節腫大、腹水等がみられることが多く、ATLL細胞の消化管浸潤(しんじゅん)例では、潰瘍(かいよう)などの粘膜異常や腫瘤形成(しゅりゅうけいせい)などがみられる。

治療の流れ

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詳しくは、こちらで。
http://ganjoho.ncc.go.jp/public/cancer/data/ATL.html

予後は、

成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)に対して、化学療法のみの治療成績では完全寛解率は16~41%、生存期間中央値は3~13ヵ月であり、その予後は依然極めて不良です。ただ最近になって、同種造血幹細胞移植によって、ATLLの治癒も期待できるようになりました。高齢の患者さんや造血幹細胞移植の対象でない場合においても、化学療法と分子標的薬剤の組み合わせによって今後徐々にではありますが、確実に改善すると期待されています。

とあります。

とても怖い疾患でありますが、

ATLLは、HTLV-1感染から数十年の経過後に、感染リンパ球の遺伝子的な変化の積み重ねによって発症すると考えられています。

ということであり、感染しても発症するまでに寿命がくる事が多いということになります。

HTLV-1キャリアが40歳以上になると、1年間に1,000人に1人の割合でATLLが発症すると推測され、HTLV-1キャリアのATLLの生涯発症率は3~5%といわれています。

このように、HTLV-1キャリアのほんの一部がATLLを発症するわけですが、どのようなキャリアがATLLを発症しやすいのかは、現在まで明らかにされていません。

つづく

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2009年6月27日 (土)

成人T細胞白血病 108万人

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リンク: 白血病ウイルス感染者108万人 大都市圏で割合増 - 47NEWS(よんななニュース).  2009/06/27 18:03   【共同通信】

 母乳を通じて母子感染し、白血病などを引き起こす可能性がある成人T細胞白血病ウイルス(HTLV1)について厚生労働省研究班が約20年ぶりに実施した調査で、感染者の地域別割合がもともと高かった九州で減少し、関東や中部、近畿の大都市圏で増加したことが27日、分かった。

 国内の感染者数は約108万人と推計。旧厚生省研究班が1988~90年度にまとめた調査の約120万人と比べ大きな変化はなかった。これまで全国的な対策は取られておらず、子供への感染を防ぐ取り組みが急務となりそうだ。

 研究班班長の山口一成国立感染症研究所客員研究員は大都市圏での割合増加について、感染者が多い九州からの人の移動が背景にあると指摘。「妊婦への抗体検査や授乳指導を実施している自治体は一部に限られ、感染者総数もあまり減少していない」と話した。

 HTLV1はATLと呼ばれるタイプの白血病や、歩行障害などが出る脊髄症(HAM)の原因となる。ATLの発症率は3~5%。根本的な治療法はなく、年間約千人が亡くなっている。

 今回の調査は、2006~07年に初めて献血した全国の約119万人を対象に実施、3787人の感染が確認された。

 感染者の地域別割合は、九州が前回調査の50・9%から41・4%に減少。一方、関東は17・3%(前回10・8%)、中部8・2%(同4・8%)、近畿20・3%(同17・0%)で、いずれも前回より増加した。

この疾患は国立がんセンターがん対策情報センターのがん情報サービスに詳しい

1977年、日本ではじめて報告された疾患。
他の悪性リンパ腫や白血病と大きく異なるのは、このがんは、ヒトTリンパ向性ウイルス1型(Human T-lymphotropic Virus Type I:“HTLV-1”)によって引き起こされること。
主に西南日本に多く、リンパ節腫脹(しゅちょう)、肝脾腫大(かんひしゅだい)、皮膚病変、高カルシウム血症を特徴とする。
悪性リンパ腫の一種で、大部分が白血病化するために、成人T細胞白血病(Adult T-cell Leukemia:ATL)や、成人T細胞白血病リンパ腫(Adult T-cell Leukemia/Lymphoma:ATLL)と呼ばれる。

日本では120万人、世界では1,000~2,000万人のヒトTリンパ向性ウイルス1型(HTLV-1)キャリアがいると推定されている。
日本では、九州を中心とした西南日本、紀伊半島、三陸海岸、北海道などに多く、世界的にはカリブ海沿岸地域、南米アンデス地域、中近東、アフリカなどで多くみられる。
しかし、東京や大阪では比率は低いものの、実際には、人数にするとかなりの数のキャリアとATLLの患者さんが存在している。

免疫担当細胞として重要なT細胞ががん化したもので、強い免疫不全を示す。
そのため、感染症にかかりやすくなり、真菌、原虫、寄生虫、ウイルスなどによる日和見感染症(ひよりみかんせんしょう)を高頻度に合併する。
抗がん剤が最初から効きにくかったり、途中から効きにくくなったりする性質があり、化学療法にしばしば抵抗性を示す。
また寛解(見かけ上病気が良くなること)が得られたとしても、再発率は非常に高い。
ATLLに伴う免疫不全に加えて、抗がん剤が効きにくいことから、ATLLの予後(治療後の経過)は現在でも極めて不良です。

つづく

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