カテゴリー「小腸内視鏡」の9件の投稿

2010年6月19日 (土)

カプセル内視鏡 カメラを内蔵したカプセルをのみ込むだけ

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。漢方・健康情報を主体に書いて行きます。
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リンク: 医療ナビ:カプセル内視鏡 カメラを内蔵したカプセルをのみ込むだけ… - 毎日jp(毎日新聞).

◇苦痛なく体内撮影 ミサイル技術転用、8~12時間分の画像解析

 胃や腸など消化器の中の異常を直接カメラで見て診断する内視鏡検査。小さな病変を探し出せる信頼性の高い検査だが、カメラ付きの長い管を口や肛門(こうもん)から入れなければいけないのが苦痛だ。その問題を解消する新しい機器「カプセル内視鏡」の普及が進んでいる。患者の体への負担はほぼゼロ、さらに従来は発見が難しかった病気を見つけられる利点もある。

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 「簡単にのみ込めるカプセル型のカメラがあるといいね」。カプセル内視鏡のアイデアは81年、イスラエルのガブリエル・イダン博士が、知人の医師から聞いたこんな言葉から生まれた。イダン博士はミサイル開発技術者。その技術を転用して、97年にはカプセル内視鏡の原形ができた。翌年、イスラエルに「ギブン・イメージング社」が設立され、01年には米国、欧州で医療機器として認可された。

 日本では大きく遅れて07年10月、同社の小腸用カプセル内視鏡が「原因不明の消化管出血症例」に対して保険適用となった。今年2月には一度に撮影できる面積が2倍以上広くなり、画質も向上した同社の最新モデルが発売された。海外では大腸用、食道用のカプセル内視鏡も開発されている。

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 国立がん研究センター中央病院(東京都)の角川康夫医師(消化管内視鏡科)は月4、5件の小腸用カプセル内視鏡検査を行っている。

 患者は検査前日の夕食後から絶食し、当日は午前8時半に検査スタート。胃と小腸に付着した粘液を取り除く薬を飲んだ後、みぞおちから太もものつけね周辺にかけての8カ所に小さなセンサーを張る。センサーは箱形のデータレコーダー(重さ約500グラム)につながっている。次に直径11ミリ、長さ26ミリのカプセルをのむ。レコーダーは腰に巻き、その後は外来患者なら帰宅も出勤も自由。2時間後からは水が飲め、4時間後からは食事もOKだ。

 カプセル内視鏡は、最新モデルなら1秒間に2回ずつ発光ダイオードで腸内を照らしつつ撮影、センサーを通じて画像をレコーダーに送る。翌日、患者はレコーダーを持って病院に。カプセルは使い捨てだ。

 病院では角川医師がレコーダーから8~12時間分の画像を取り出し、「読影」をする。専門医の目は、5万~8万枚もの画像から小さながんやわずかな出血など病気の兆候を見つけ出す。「日本の『読影』技術は世界でもトップレベルでしょう」と角川医師は話す。

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 長さ6~7メートルの小腸は、従来の内視鏡では全体を見ることができず人体の「暗黒大陸」とも呼ばれていた。カプセル内視鏡はその闇を照らす光ともいえる。

 角川医師は最先端医療にもカプセル内視鏡を組み合わせて成果を上げている。白血病など血液がんの患者に行う「造血幹細胞移植」では、移植後に小腸に炎症が起きることがある。移植した細胞が患者の体を攻撃する反応が原因の場合と、ウイルスの感染症による場合があるが、双方の治療方法は正反対だ。そこでカプセル内視鏡で炎症部分を撮影。「原因の違いで炎症の見た目が違う。カプセル内視鏡のおかげで確実な診断が可能になった」と言う。

 一方、同病院では昨年度、日本で未承認の大腸用カプセル内視鏡の臨床研究も行った。角川医師は「肛門から管を入れる大腸内視鏡への抵抗感は、大腸がん検診の受診率が伸びない理由の一つ。痛み、恥ずかしさのないカプセル内視鏡はがん検診にもうってつけでしょう」と話している。【奥野敦史】

 ◇費用約3万円、全国200カ所で

 カプセル内視鏡検査にかかる費用は、カプセル代金と検査料で約3万円(自己負担3割の場合)。検査を受けられる病院は約200カ所あり、「飲むだけドットコム」(http://www.nomudake.com/)で調べることができる。

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2009年1月21日 (水)

小腸内視鏡(8)消化管出血

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小腸などの検査入院顛末記のつづきです。

12月12日に退院しましたが、発症10月11日ですから、2ヶ月かかったわけです。

3病院にお世話になり、その間入院していたのは丁度半分の30日でした。

消化器に問題が起こったのですから、どんな食事を摂るか重要問題です。

最初に入院した病院では、入院していた6日間全て禁食。

2番目のスズキ病院は、検査に消化器を空っぽにして臨むため、入院6日間で絶食は2日間ありました。

食事を摂れる様になってからの内容は、5分粥で1日1200㌍、塩分9gの設定でした。

3番目の日本医大病院の食事は、低残渣食でお粥かパン、塩分7㌘、1800㌍の設定でした。

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12月11日の朝食
パン(ジャム)、チキンスープ、和風サラダ、ヨーグルト、ゼリー

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12月11日の昼食
粥、カレイ照り焼き、青梗菜卵とし、プリン

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12月11日の夕食
玉子粥、すまし汁(麩)、出し巻玉子・サラダ(ノンオイルD)、焼たら(人参・大根添え)、ミカンゼリー、リンゴジュース

日本医大の通常食の場合、栄養素の配分比率は、
  糖質       55%
  タンパク質  15~20%
  脂質      20~25%
となっていると聞きました。

kiyohikoのいつもの家庭での食事とはずい分違っています。
カロリーと塩分が大違いです。
カロリーは日常の半分、塩分も半減近いと思います。
栄養素に関しては、脂質が激減です。
カロリーの高い油類は使う量が少なくなり、揚げ物や炒めものも少なくなるのでしょう。

こんなに違うと、口になじまず美味しくないはずなのですが、塩辛さも薄く感じず、意外においしいのです。

考えてみました。

入院中はベッドで寝ているだけで汗をかく運動をしません。
食事の量が少なく、間食もしないし、水分を欲しません。
従って水分の摂取量が日常よりずっと少なくなっています。
余分な水が体にたまりません。
水滞の状況が生まれないのです。
汗や尿で水分を排泄するのには塩分が必要です。
余分な水が体に少ない状態なら塩分摂取量は少なくて問題ないということなのでしょう。

うす味といえば、京料理の特徴のひとつです。
なぜでしょうか。
京都はお公家さんの社会でした。
京料理はお公家さんの料理から派生してます。
お公家さんは肉体労働をしませんから、上の理屈から云って塩分摂取が少なくてよいわけです。
そのため京料理は薄味になったと説明することができます。

入院して体を休め、病院給食の食事をしていると、体に変化が起こってきました。
まず血圧です。
平常は、上の血圧が150前後、下の血圧が90前後でなのですが、入院すると日毎に数値が下がっていきました。
最終的には、上が110代、下が70代になりました。

その他肝機能、高脂血症関連の検査項目なども軒並み良くなってくるのです。
臨床検査技師の方が、「入院して短時間に数値が良くなりますね」感想を話してくれました。
日頃体調管理の漢方薬を常用しています。
また不摂生をしたときは、すぐに毒消しの漢方薬を服みます。
これが効いていて、節制するとすぐ改善するのだと解釈しています。

もう一つの変化は、お腹の調子、便の状態がとてもよくなったことです。
排便が快調で、固さ、大きさ、色的に健康な便になったのです。
この要因はひとえに、脂質の摂取が少ないことにあると考えています。
脂質・油ものの摂取量が多いと、便はやわらかくなり、更に多くて腸の水滞が加わるとヘドロ状の便になります。
不摂生をして飲みすぎ食べすぎでそういう状態がよくあったのですが、入院以後現在はなくなりました。
これは退院後も入院で学習したことを継続実践しているおかげでしょう。

1月9日に最終診断結果を聞きました。
11月末の時点では、内視鏡で小腸に潰瘍、炎症などの異常が見られなかったというのです。
10月の時点で大腸内視鏡に映っていた異常なものはなくなっていたのです。
この1ヶ月で自然に治癒したということなのでしょう。
クローン病その他の疑いもないことが確認できている。
ということで、無罪放免と相成りました。

入院中の加療は、絶食して消化管を休ませ、栄養は点滴で補給する。
点滴の中に止血剤を混ぜるということぐらいしか方法はありません。
養生に気をつけて自然治癒力で快復するのを見守っていくという経過でした。

自然治癒力が治癒の大きな要因なわけですから、11月の一月間は、自然治癒力を助けるにはどうするかが問題と考えました。
漢方薬、保健薬の活用に頭をつかいました。
その効果が大きかったのだろうと考えています。
それについては、つぎの機会にゆずります。

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2009年1月20日 (火)

小腸内視鏡(7)消化管出血

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小腸などの検査入院顛末記のつづきです。

11月25日に入院し、翌日にカプセル内視鏡、1日おいてダブルバルーン内視鏡検査をやったわけです。

カプセル内視鏡検査については、1月12日のエントリーhttp://blogmasaki-ph.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-34d6.html 、ダブルバルーン内視鏡については、1月13日のエントリー http://blogmasaki-ph.cocolog-nifty.com/blog/2009/01/post-803c.html に書いたようなことでした。

小腸の炎症、出血などの症状は、結核性腸炎やクローン病、ペーチェット病といった難病でもみられます。
そのためそれらの検査もあわせてやることになりました。

小学生以来のツベルクリン(結核のチェック)、眼科検査(免疫性疾患由来の眼科疾患をチェック)もあわせて実施。

それらに関してはどれも問題なしという結果でした。

内視鏡検査での処置として、小腸下部にあったポリープを切除しました。
2cmくらいありそうなかなり大きいポリープでした。
もちろん病理検査にまわされます。

ほとんど問題なくポリープ切除の処置は行われたので、かねて希望していた、翌日から3日間の連続外泊の許可が出ました。
入院でたまった仕事、これから休むための対応の処理をしたくて希望を出していたのです。

ここでトラブルが発生してしまいました。
その間飲み食いには注意していたつもりでしたが、外泊三日目に少量ながら下血が見られたのです。
おそらくはポリペクの部分からと思われる出血です。
何はともあれまた絶食して腸を休ませ傷がふさがり出血が止まるのを待つしかありません。
便から血液が消えるのを確認するのに四日を要しました。
毎日のように採血して貧血の検査です。
貧血が改善しているのを確認できるまでは放免されません。
このため退院が一週間予定から延びることになってしまいました。
退院したのは12月12日になってしまいました。

退院後は、しばらく時間をおいて外来受診し、異常が起こっていないことを確認することになりました。
年明けの1月9日に外来で受診です。
この日に総括した最終的な診断結果を聞ける予定となりました。

つづく

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2009年1月19日 (月)

小腸内視鏡(6)消化管出血

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小腸などの検査入院顛末記のつづきです。

消化管出血の病変部位は小腸の疑いが濃いということで、小腸の内視鏡検査が必要になりました。

小腸内視鏡は新しい技術で今は普及の過程で、検査が可能な病院はまだ数少ないようです。

kiyohikoは幸いスズキ病院の院長先生の紹介で、日本医科大学で検査を受けることができるようになりました。

難しい病気の患者さんはこういう大学病院などに集中するので、緊急性の高い病状でなければすぐに検査というわけには行きません。

予約してから検査の順番待ちがあるわけです。

初診のときにドクターの問診と検査の概要の説明を受けます。

検査のリスクについても丁寧に説明がありました。

小腸の内視鏡検査のリスクは、今はほとんどの医療機関の消化器科で気軽に受けられるようになっている胃カメラや大腸カメラのリスクと差はないといえるようです。

インフォームドコンセントが尽くされた後に予約がなされます。

11月25日に入院し検査に入ることになりました。

約一ヵ月後の予約です。

先にカプセル内視鏡検査をやり、1日置いて経肛門のダブルバルーン内視鏡を実施します。

その結果をみてから、必要があれば数日後に、今度は経口のダブルバルーン内視鏡をやるかどうか判断するということになりました。

つづく

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2009年1月16日 (金)

小腸内視鏡(5)消化管出血

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検査入院顛末のつづきです。

地元の病院を退院したのがお昼前、一旦自宅へ戻り仕度をしてすぐ転院先の病院へ向かいます。
転院先は、40年来の付き合いの、野口医学研究所の浅野理事長が心配して紹介してくれた病院で、財団の車で送迎してもらうという至れり尽くせりのお世話になりました。
着いたところは浩生会スズキ病院。
練馬区の中核病院的な清潔感あふれる病院です。
当日は初期のお決まりのコース、X線、心電図、採血と腹部CTの検査。
翌17日、目的の大腸内視鏡の検査となりました。
朝から腸管洗浄液を服用し、1時半から検査開始です。
この病院の内視鏡検査は、静脈麻酔を使って行われます。

病院のサイトでは、

スズキ病院では、昭和55年(1980)より、総ての胃カメラ、大腸カメラの内視鏡検査が静脈麻酔を使って行われており、今年で25年となります。
この麻酔はうとうとと寝ている間、話しかけると理解し正しく反応できます。但、検査中のことは覚えていないため、一度受けられると、その後は安心して検査を受けられる利点があります。
検査終了後は、リバースと言いますが、拮抗薬を使って直ぐに目覚めることができます。最近、10年間は、年平均、胃カメラが2700件、大腸カメラが1180件を行っています。

とあります。

優れた技術の院長の手で、気持ちよく眠っている間に検査は進行し、目覚めたのは検査台のベッドからストレッチャーに移されるときでした。
とてもとても楽な検査でした。
こんな楽な検査なら頻繁にやることになっても全然苦になりません。

問題の検査結果ですが、
大腸に腫瘍は認められない。
ポリープも問題ない。
憩室があるが、そこからの出血の形跡はない。
という事で、大腸に問題は見つからないということなのです。

大腸カメラは、盲腸の部位辺りまで届きます。
そこから小腸の末端部分が15cmくらいが映ります。
そこには病変が見られるというのです。
えのき茸のような形をしたポリープ、炎症性の腫れ、潰瘍の痕と思われるようなものが映っていたのです。
この画像は手許にあるのですが、門外漢にはグロテスクに感じられると思うのでアップしません。

ここより先は大腸カメラでは入れません。
この先の小腸がどうなっているかは、小腸内視鏡を使わなければ検査することは不可能ということです。

翌日、翌々日は土日で治療はなく、月曜日の10月20日に胃の内視鏡検査を実施。
これも静脈麻酔下での検査。
開始と同時に心地よい眠りに落ち、目覚めたときは検査終了という楽なことこの上ない検査でありました。
胃にも出血の要因になる病変は見当たりませんでした。

結局、小腸を精査しなければ診断が確定しないということになります。

さきのエントリーにあるように小腸の検査は、近年開発され普及し始めた小腸内視鏡で検査をすることになります。
小腸内視鏡を駆使できる病院は日本でもいくつもありません、まだ限られています。
その一つが日本医科大学第三内科です。
スズキ病院院長の鈴木先生は日本医大のOBで、その関係があってでしょう、日本医大で小腸内視鏡の検査をしてもらえることになったのです。

つづく

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2009年1月14日 (水)

小腸内視鏡(4)消化管出血

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kiyohikoが小腸内視鏡検査を受けるに至ったわけのお話しです。

10月11日の土曜日午前7時半頃のことです。
いつものように便意を催しトイレに座りました。
軟らかめの便が排泄されるのを感じた後、突然水瀉性の下痢が出て行く感じがしたのです。
しばらくして何か気になるので立ち上がって便器をのぞき込みました。

なんと便器には大量の深紅の液がたまってっているではありませんか。
下痢ではなく下血だったのです。
量的には200cc近くあったような気がします。

痛みや不快感は肛門部にも下腹にも全くありません。
むしろ排便後の爽快感すらあるのです。

そういえば10年位前に似たようなことがあったのを思い出しました。
そのときは一度の下血をしただけで、続いて起こることはありませんでした。
その時は、気付いていなかった内痔核が破けて出血したのだろうと解釈して気にもしていませんでした。
その出血の時より後に大腸の検査をしていますが、問題なしでした。

今回も一回だけで収まるのだろうと全然心配することもなくトイレから出たのです。

それから1時間ほど経つとまた便意を催しました。
トイレに行くと今度もまた下血です。
一度の下血で鎮まってはくれませんでした。

こういうケースで止血目的で使う漢方薬は、黄連解毒湯のような苦寒血剤、芎帰膠艾湯、うっ血があれば駆お血剤類、田七などが考えられます。

そういうものを服んで仕事を始めたのですが、1、2時間すると下血します。
これから出血が止まったとしても精密な検査を受けておく必要があると感じ、近くの病院を探し始めたのは12時をまわったころでした。
幸い土曜日の午後に外来を開いている病院が近くにあったので受診しました。
丁度連休にかかるので、休み明けまで検査はできない。
入院して待つことになりました。

大慌てで仕掛かりの仕事を整理、引継ぎ、入院です。
傷んだ消化管を休ませなければなりませんから、絶食、水も飲まず点滴で栄養・水分補給です。

入院直後に一度下血したのが最後で、大量の出血は止まってくれました。
初診での直腸指診などで痔の出血ではない、直腸に腫瘍はみられない。
血液が鮮血なので肛門に近い部分からの出血と考えられ、大腸の病変が疑われたようです。

入院から三日目の連休明けに大腸のX線検査・注腸をすることになりました。
傷があるところに造影剤にバリウムを使うのは危険があるので、刺激の少ないガストログラフィンという造影剤を使用しました。

結果、画像からは気になっていた腫瘍は見られない。
小さなポリープがあるが出血に無関係。
上行結腸に憩室が数個あるので、そこから出血した可能性が高い。
という診断結果。

内視鏡による精密な検査を希望したが、この病院は今担当の医師が不在で大腸の内視鏡検査はできないということなので、転院の希望を申し出て承諾をもらいました。

出血が止まったことの確認は、便の状態以外に貧血の検査が重要です。
毎日検査して貧血が進んでいれば出血が続いている、貧血が改善していれば出血は止まっているとみなせます。

kiyohikoのデータは、
               赤血球   ヘモグロビン
10月11日(入院直後)  500万     14.7
10月15日          370万     11.2
10月16日          392万     11.4

相当の失血があったことが数字に出ています。
15日より16日の貧血の程度は改善しており、15日に出血は止まっているとみなせます。

という事で16日に転院となりました。

つづく

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2009年1月13日 (火)

小腸内視鏡(3)

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カプセル内視鏡検査から2日後にダブルバルーン内視鏡検査を行いました。

Doublebaloon

胃カメラや大腸カメラと違う機構で小腸が検査できる内視鏡を考案したのは、自治医大消化器内科教授の山本博徳先生で、機械が発売されたのは2003年のことです。
開発の経緯は、こちらに掲載されています。
車を運転中にひらめいた発想だったそうです。

内視鏡をオーバーチューブと呼ばれる筒の内側に通し、それぞれの先端にバルーンが取り付けてあります。
空気を入れて膨らませると腸壁に密着し、くねくねする小腸に固定させることが可能になります。
内視鏡と外筒のバルーンを交互に膨らませながら動かすと尺取虫の動きで内視鏡を前進・後退させることができるというわけです。

この小腸内視鏡の長さは2メートルだそうです。
小腸は6~7mあるといいますから4、5m足りないわけです。
これで全域を見る事ができるのかと疑問になります。
しかし大丈夫なのです。
尺取虫の動きの原理で、アコーディオンの蛇腹のように小腸をたたみながら検査して行けるからです。

内視鏡の挿入は、経口と経肛門の両方が可能です。
小腸の下部を検査するときは肛門から挿入し、小腸の上部を検査するときは口から挿入します。
検査の苦痛度は、口からの方が大きいそうです。

この内視鏡でできる処置は
  生検(組織の一部を採取すること)
  止血術(消化管で起きている出血を止めること)
  EMR・ポリペクトミー(ポリープや癌の組織を取り除くこと)
  バルーン拡張術(腸管の狭窄部分をバルーンを用いて拡げること)
などです。

kiyohikoの検査は、朝8時から準備が始まりました。
まずナウゼリン錠とガスモチン錠を内服します。
消化管の動きを良くしておこうという目的でしょうか。
9時にニフレックという経口の腸管洗浄剤を飲み始めます。
2リットルを2時間かけて飲みます。
10年前にも大腸検査で飲んだことがありますが、グレープフルーツ味で以前より味が良くなって飲みやすくなっていました。
排便4、5回後に透明な便になり、検査の準備態勢は整いました。
昼食はもちろん抜きで、検査を待ちます。
食事の変わりは栄養補給の点滴です。
この日は検査がいくつも入っていて、予定から遅れて、18時検査開始になりました。
緊張と集中を要求される仕事が連続する施療者側のドクターや医療者は患者よりも大変です。

小腸の下部に嫌疑かかかっていたので、この日は経肛門で始まりました。
大腸部分を進むときは過去に受けた大腸検査の感じと変わりません。
小腸に入る頃だったと思いますが、不安や苦痛を和らげる目的で、鎮静作用薬を点滴で入れてもらいました。
おかげで、頭が少し朦朧としている状態の中で検査は進み、苦痛を感じることはありませんでした。
内視鏡の尺取虫の動きはあまり感じとることはありませんでした。
小腸半分強進んだところまで検査してこの日の検査は終了となりました。
所要時間は約2時間でした。

カプセル内視鏡の結果もある程度出ているからでしょう、小腸上部に問題はないと判断されて、経口挿入で行うダブルバルーン内視鏡の検査は免除と相成りました。

これは助かった! でした。

つづく

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2009年1月12日 (月)

小腸内視鏡(2)

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最近オリンパス社のテレビCMでカプセル内視鏡を頻繁にPRしています。
今が旬の宮崎あおいさんがやっていますのでご記憶の方は多いのではないでしょうか。

カプセル内視鏡の大きさは、小指の先ほどの大きさしかありません。
長さ26mm×径11mm、重さ3.45gだそうです。

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超小型で高性能なカメラを内蔵しています。
これを水で飲み込みます。

このカメラは1秒間に2枚の写真を撮影しながら消化管の蠕動運動によって進み、最後は便とともに排泄されます。
撮影は8時間ほど可能と聞きますので、2枚×60秒×60分×8時間=57600枚の画像が撮影される計算になります。
自然な状態の小腸をすべて静止画像で観察できるというわけです。

カメラを回収して記録装置を再生するのかと思いますが、使い捨てで回収はしません。
実はこのカメラは画像の情報を電波で体外に取り付けた受信機に向け送信するのです。

受信はお腹の8ヶ所にに貼り付けたセンサーで感知し、腰に巻いたレコーダーで記録します。
記録した画像はワークステーションにダウンロードしてから読影されます。
ここでコンピュータ処理が入るわけです。
5万枚の画像ですから一通り見るだけで何時間もかかる大変な作業だと思います。

カプセル内視鏡で判明、診断される病変は、潰瘍やびらんが多く、血管異形成やクローン病、腫瘍などが見つかっているそうです。

カプセル内視鏡は観察するだけで、ポリープを切除したり焼灼凝固といった治療はできません。
そういった治療が必要な場合は、もう一つの小腸内視鏡、ダブル(シングル)バルーン内視鏡をを使うことになります。
また、腸管が狭窄を起こしていてカプセルが通過できないことが起こることがあるといいます。
そんなときは、あらためてダブルバルーン内視鏡を挿入してカプセルを取り出すか、開腹手術になるそうです。

kiyohikoは朝食抜きで9時にカプセルを飲み込みました。
そしてセンサー、ホルターを装着しました。
右を下にして30分程寝ました。
飲み込んで胃に入ったカプセルが十二指腸へ早く降りるようにするためです。
後は、院内を歩いて運動しました。
4時間後の1時に、昼食です。
このくらい時間を空けると、食物がカプセルに追いつくことはありません。
18時に装着をはずし、終了です。

翌朝腹部X線でカプセルが下行結腸に降りていることを確認。

その後の排便で体外に出たのですが確認はできませんでした。
水洗トイレですから。

つづく

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2009年1月10日 (土)

小腸内視鏡(1)

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昨年11月の終わりに珍しい検査の経験をしました。
小腸の内視鏡検査を日本医大病院で受けたのです。
カプセル内視鏡ダブルバルーン内視鏡の2種類の検査でした。

従来小腸には疾患が少ないとされてきました。
たしかに、胃や大腸に比べると小腸癌をはじめ、小腸の病気はあまり聞かないように思います。

小腸は胃・十二指腸と大腸の間にある消化管で、長さは6mくらいもあり、くねくねと蛇行しています。
そのため胃カメラや大腸カメラの方式では小腸を内視鏡で見る事は不可能だったのです。
小腸を検査できる内視鏡が開発されたのは5、6年前のことで、2003年にフジノン東芝ESシステムのダブルバルーン内視鏡で、また、オリンパスがカプセル内視鏡を発売しています。

Doublebaloon_2

ダブルバルーン内視鏡

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カプセル内視鏡

これらの小腸内視鏡で小腸を実際に観察することができるようになって、それまでは診断できなかったような疾患や小腸病変が続々と見つかるようになったそうです。

ちなみにカプセル内視鏡が健康保険適用になったのは2007年10月ですから、1年2ヶ月前のことです。

主に検査の対象となるのは、

消化管からの出血があり、その原因がわからない患者。
小腸からの明らかな出血がある患者。
他の検査の結果、次のような小腸の病気の可能性がある患者。
 クローン病、びらん・潰瘍、ポリープ、炎症、憩室、血管性病変、
 狭窄、吸収不良症候群、蛋白漏出性胃腸症
小腸内の異物除去が必要な患者。

ということです。

kiyohikoが該当したのは、「消化管からの出血がありその原因がわからない」と「小腸に炎症、びらん・潰瘍の可能性がある」ということでした。

つづく

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