カテゴリー「認知症」の40件の投稿

2012年2月13日 (月)

神経細胞死の仕組み解明…東京薬科大の柳教授ら

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またアルツハイマー関連のニュースです。

神経細胞死の仕組み解明…東京薬科大の柳教授ら : 東京多摩 : 地域 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

アルツハイマー薬開発に期待

 パーキンソン病やアルツハイマー病などを引き起こすとされる神経細胞死のメカニズムを、東京薬科大(八王子市)の研究グループが解明した。神経疾患の新たな治療薬開発につながる成果で、1月30日、米科学アカデミー紀要(電子版)に掲載された。

 研究は、同大生命科学部の柳茂教授(47)らの研究グループによるもの。体内で血圧の調整などに重要な役割を果たす一酸化窒素が神経細胞内で著しく増えると、ミトコンドリアにある特定の酵素の働きが鈍り、神経細胞が死ぬことを突き止めた。

 ミトコンドリアは動物や植物などの細胞内にある小器官で、ブドウ糖や脂肪を燃料にエネルギーを生み出す。一つの細胞内に数千個存在する。

 アルツハイマー病などの神経疾患の患者は、ミトコンドリアの機能低下に伴い、神経細胞が死滅するなどの現象が観察されている。更に血圧の調整や記憶、物事を考える際などに重要な役割を果たす一酸化窒素が細胞内に特に多い状態になると、神経細胞死が起きることもわかっていた。

 そこで研究グループは、2005年頃からミトコンドリアの研究を開始。ミトコンドリア上にある酵素を06年に発見し、「MITOL(マイトル)」と名付けた。その後のマウスを使った実験で、何らかの理由により細胞内の一酸化窒素濃度が高い状態になるとマイトルの働きが鈍くなり、ミトコンドリアの動きが抑制され、細胞が破壊されやすくなったことが確かめられた。

 柳教授は「神経疾患の患者はマイトルの働きが鈍くなっている可能性が高い。この酵素を活性化させる新薬を開発して神経細胞死を防げば、治療につながる」と話している。

(2012年2月11日  読売新聞)

研究がいろいろな角度、手法で進んできて克服も時間の問題になってきたように期待を込めて思います。

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2012年2月 4日 (土)

アルツハイマー治療に光 原因物質拡散の仕組み判明

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朝日新聞デジタル:アルツハイマー治療に光 原因物質拡散の仕組み判明 - アピタル(医療・健康) 2012年2月4日0時59分

 アルツハイマー病の原因の一つとされる異常なたんぱく質が脳内で感染症のように拡散していることが、米コロンビア大などによるマウスの実験でわかった。この挙動を止める物質ができれば、治療法の開発につながる可能性がある。1日付米科学誌「プロスワン」に論文が掲載された。

 この病気は、ベータアミロイドと呼ばれるたんぱく質やタウと呼ばれるたんぱく質の異常なものが、脳内の神経細胞に蓄積して起こると考えられている。

 論文によると研究チームは、人間のタウを持つマウスを遺伝子操作でつくって脳を観察。生後10~11カ月の若いマウスでは情報の通り道である嗅内野(きゅうないや)と呼ばれるところの神経細胞にタウがたまっていたが、22カ月以上のマウスでは、嗅内野だけでなく、回路がつながっていて、記憶をつかさどる海馬の神経細胞にもタウが広がっていることを確認した。

感染症のように拡散と聞くと、狂牛病を起こす伝染力のある不思議なタンパク質プリオンを思い起こすが、タウやベーターアミロイドはそうではない

最近の認知症に関する研究の進歩はは目覚ましい。

認知症の本人と苦労されている家族の方の為に光が早く現実になってほしい。

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2012年2月 1日 (水)

脂質異常症治療薬、認知症にも効果 福井大の濱野講師が発表

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脂質異常症治療薬、認知症にも効果 福井大の濱野講師が発表 特集・医療最前線ふくい 福井のニュース :福井新聞 (2012年1月31日午後8時17分)

 高脂血症など脂質異常症の治療薬がアルツハイマー型認知症の予防や抑制にも有効であるとする研究成果を、福井大医学部の濱野忠則講師(46)が31日、同大松岡キャンパス(永平寺町)で会見し発表した。論文はオランダの国際科学誌「ニューロバイオロジー・オブ・エイジング」電子版に掲載された。

 認知症患者は全国に200万人いるとされ、中でもアルツハイマー型はその5~7割を占める。治療は症状を軽くする薬物投与が主で、根本的な治療法はないという。従来、脂質異常症の治療で一般的な薬「スタチン」を処方された患者に、発症が少ないとの研究はあったが、十分知られておらず、仕組みも分かっていなかった。

 濱野教授は、脳の神経細胞が死ぬ「神経原線維変化」と、その原因となる「タウタンパク」の変質に着目。アルツハイマー型の特徴のうち、これまであまり注目されてこなかったもので、2007年から研究を始めた。実験ではスタチンの一種「ピタバスタチン」の投与前後を比較し、投薬後はタウタンパクの変質をもたらす特定の酵素の活性が、大きく減少していることを確認。その結果として、細胞内の変質したタウタンパクが減少することも確かめた。

 論文は昨年11月29日発行の科学誌に掲載された。既に10年秋から、同病院の患者を対象にした臨床研究で、認知機能の改善具合などの検討を始めている。今後5年間でさらに100人程度で効果を検証する計画。

 濱野講師は「脂質異常症の薬が認知症にも効果があると示せた。既に安全性が確認された薬であり、3~5年以内の適用拡大を目指したい」と話した。さらにタウタンパクは「前頭側頭葉型」認知症など、他の神経変性疾患にも関係している点を指摘し「治療へのさらなる応用も期待される」と研究の進展にも触れた。(柴田裕介)

脂質異常症治療薬の良い意味での副作用。

最近の既存薬の新しい効用の発見では、「子宮内膜症に喘息治療薬」がある。

 過去記事

子宮内膜症抑制、ぜんそく治療薬が効果 産学3者が特許 12/01/21

既存薬の新効果見つけよう 慶大や14社 10/07/02

タウに触れた過去記事は

アルツハイマー病、9割の精度で診断 脳脊髄液を検査 10/08/10

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2012年1月27日 (金)

アルツハイマーの特徴、iPSで確認 患者から細胞作成

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また再生医療の成果のニュースだ。

asahi.com(朝日新聞社):アルツハイマーの特徴、iPSで確認 患者から細胞作成 - アピタル(医療・健康) 2012年1月26日18時45分

 脳の神経細胞が死滅して起きるアルツハイマー病の患者の細胞から人工多能性幹細胞(iPS細胞)をつくり、神経細胞に変え、病気の特徴を確認することに米欧の研究チームが成功した。ヒトの生きた細胞で発症の仕組みを調べられ、治療法を試すのにも役立ちそうだ。26日付の英科学誌ネイチャー(電子版)で発表した。

 研究チームは、患者の9割を占める突発性アルツハイマー病と、遺伝性アルツハイマー病の各2人の皮膚細胞からiPS細胞をつくり、神経細胞に変化させた。遺伝性の患者の神経細胞では、アルツハイマー病を起こすという毒性の強い二つのたんぱく質ができることを確認。これらを抑える薬剤で二つのたんぱく質を減らせた。突発性でも1人は同様の現象がみられた。

 チームは「患者では何十年もかかって現れる症状を短期間で調べられる」としている。

 遺伝性アルツハイマー病患者では、iPS細胞を使った病気の再現に慶応大チームも成功している。(下司佳代子)

再生医療は治療の選択肢を大幅に広げそうだ。

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2011年11月22日 (火)

アルツハイマー病 進行抑制に期待 ピーナッツ

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アルツハイマー病 進行抑制に期待 : 医療ニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)

 ピーナツの渋皮にアルツハイマー病の進行抑制が期待されるポリフェノール成分が豊富に含まれていることが、古川昭栄・岐阜薬科大学教授(神経科学)らのグループの研究でわかった。

 マウスを使った実験で有効性が確認されており、研究成果を26日に岐阜市内のホテルで開かれる同大の研究講演会で発表する。

 研究を行ったのは古川教授と特殊高機能性化学品メーカー「岐阜セラツク製造所」の森大輔主任研究員ら4人。アルツハイマー病は、脳内に神経細胞の機能低下を引き起こすアミロイドベータたんぱく質が蓄積されるのが原因とされている。

 古川教授らはアルツハイマー病の治療方法を研究する中で、老化やストレスなどで脳の機能を正常に保つのに必要なたんぱく質(神経栄養因子)の機能が低下したり産出量が減ったりして、記憶力が衰えることに注目。神経栄養因子の機能を高める効果のある植物成分を探した。

 野菜や果物など60種類の成分を調べたところ、中国で不老長寿の豆と呼ばれるピーナツの渋皮に含まれるポリフェノールに神経栄養因子と類似の働きがあることを確認。アミロイドベータたんぱく質をマウスの脳に投与してアルツハイマー病の状態を引き起こし、渋皮から抽出したポリフェノールを食べさせると、食べさせないマウスよりも記憶力が高く保たれることが判明した。

 ただ、なぜピーナツの渋皮のポリフェノールだけに神経栄養因子とよく似た働きがあるのかは分かっていないという。古川教授は「神経細胞が活性化するメカニズムを解明するのが今後の課題。予防薬として活用できるように努力したい」と話している。(大隅清司) 2011年11月22日 読売新聞)

よくビールのつまみにするバタピーには含まれていないようだから、これからは千葉産の落花生にして渋皮ごと食べるようにしよう。
少しは効果あるかな?

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2011年10月21日 (金)

アルツハイマー特効薬 ウコン成分から作る試み

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アルツハイマー特効薬 ウコン成分から作る試み : J-CASTニュース 2011/10/16 19:03

  アルツハイマー型認知症の最前線をテーマにしたシンポジウムが2011年10月1日、東京で開かれた。財団法人「東京顕微鏡院」の創立 120年を記念した催しで、最前線で活躍する専門家が講演、日本で開発が始まった新薬への夢も語られた。

   遠藤英俊・国立長寿医療センター内科総合診療部長は、認知症の地域支援制度を報告した。国立長寿医療センターが養成している「認知症サポート医」が1700人に達したこと、認知症サポート医が都道府県などと協力して実施している「かかりつけ医認知症対応力向上研修事業」の研修を2万6000 人が受講したこと、専門家が対応する「地域包括支援センター」が全国に4000か所設置されたこと、など。国や都道府県の「認知症対応力」は確実に高まっているようだ。

カレーを食べるとかかりにくい?

   世界最初のアルツハイマー薬ドネペジル(エーザイの「アリセプト」)で有名な杉本八郎・京都大学大学院客員教授(薬学)はまず、アリセプト開発の秘話を紹介した。 日本では現在、4つの薬が使われているが、いずれも対症療法で、できれば根本治療薬が望まれる。アルツハイマー型認知症は、脳にベータアミロイドと呼ばれる物質やタウたんぱくといわれる物質が蓄積することで、脳が萎縮して起こると信じられている。しかし、欧米で開発中だった抗アミロイド作用の主な4剤は、基礎実験では大いに期待されたのに臨床試験では効果が認められずに挫折。開発の中心はタウたんぱくの阻害物質に移っている。

   「再び夢を」と、杉本さんは根本治療薬の開発を目標とする、京都大学発バイオベンチャー企業「ファルマエイト」を創業。カレーを食べるインド人は米国人と比べてアルツハイマー型認知症にかかる率が4分の1と少ないことに目をつけた。ウコンの主成分クルクミンの誘導体1000種類を作り、タウたんぱく、アミロイドの両方を抑える最強物質を選び、日本発の特効薬にすべく取り組んでいる。 (医療ジャーナリスト・田辺功)

関連過去記事

ウコンが認知症に効果 08/08/27

アルツハイマー病を寄せ付けない生活習慣 11/04/13

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2011年9月16日 (金)

アルツハイマー病、歯に注意 かみ合わせ悪いと影響

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アルツハイマー病、歯に注意 かみ合わせ悪いと影響 - 47NEWS(よんななニュース)

 歯のかみ合わせが悪いと、アルツハイマー病の原因とされる「アミロイドベータ」と呼ばれるタンパク質が脳の海馬に増えることを岡山大大学院医歯薬学総合研究科の森田学教授のチームがラットで突き止め、15日発表。

 アルツハイマー病はアミロイドベータが脳内に蓄積し、記憶障害を起こすのが一因とされる。チームは「歯が抜けたり、入れ歯が合わなかったりする人は、治療をすることでアルツハイマー病の予防や進行を抑えられる可能性がある」とし指摘。

 同チームは「かみ合わせが悪いと脳に刺激が伝わりにくくなり、ストレスを感じて、アミロイドベータが増えるのではないか」と分析。2011/09/15 19:02   【共同通信】

関連過去記事はカテゴリー「歯科」とカテゴリー「認知症」にあり。

歯の悪い高齢者、認知症になる可能性2倍近く 11/01/25

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2011年8月30日 (火)

アルツハイマー病:遺伝子組み換え米で蓄積たんぱく質減少

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アルツハイマー病:遺伝子組み換え米で蓄積たんぱく質減少 - 毎日jp(毎日新聞)

 遺伝子組み換えのコメを使いアルツハイマー病の脳に蓄積するたんぱく質を減らすことに、東京大の石浦章一教授らのチームがマウスの実験で成功した。アルツハイマー病予防の「食べるワクチン」をめざした研究で、科学論文誌「ワクチン」に掲載された。

 アルツハイマー病患者の脳にはベータアミロイド(Aβ)と呼ばれるたんぱく質でできた老人斑がみられる。Aβが脳に蓄積し、複数の過程を経てアルツハイマー病につながると考えられている。

 石浦さんらは、Aβを攻撃する抗体を体内に作らせて蓄積を防ごうと、食べるワクチン作りに取り組んできた。これまでにAβの遺伝子を組み込んで育てたピーマンの葉をすりつぶし、アルツハイマー病のモデルマウスに食べさせたところ、脳内のAβが減少した。

 今回は、Aβ遺伝子を組み込んだコメを6匹のモデルマウスに10日に1回、16カ月食べさせた。さらに免疫増強をねらってAβを1回注射した。その結果、Aβに対する抗体価の上昇にあわせ、脳内のAβが減少した。さらに、迷路を使った実験では記憶力の改善傾向が見られた。

 米国ではAβを注射するワクチンの治験が髄膜炎の副作用で中止されている。石浦さんは「経口投与なら防げるはず」と話している。【青野由利】 毎日新聞 2011年8月29日 9時52分(最終更新 8月29日 10時23分)

認知症関連の過去記事はカテゴリー「認知症」にあり。

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2011年7月 4日 (月)

アルツハイマー 注目度低いたんぱく質が大きな原因 理研

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アルツハイマー:注目度低いたんぱく質が大きな原因 理研 - 毎日jp(毎日新聞)

 アルツハイマー病の原因物質と考えられているたんぱく質「アミロイドベータ(Aβ)」のうち、これまであまり注目されていなかった「Aβ43」が、アルツハイマー病の大きな原因となっていることを、理化学研究所などのチームが突き止め、ネイチャーニューロサイエンス(電子版)に4日発表した。新たな治療戦略や診断法の開発に役立つ可能性があるという。

 従来、Aβ42と呼ばれるタイプが、アルツハイマー病の主原因と考えられていた。チームは亡くなった患者の脳を調べたところ、Aβ43の量がAβ42の半分近くあり、アルツハイマー病の特徴であるアミロイド斑(老人斑)の部位に集中的に存在していた。

 また、マウスの神経細胞に各種のAβを加えて経過を見たところ、Aβ43を加えた細胞の生存率は大幅に低く、毒性が強いことも分かった。

 Aβ43は他のタイプよりアミノ酸の数が多い。これまでの臨床実験はAβ42に注目したもので、目立った成功例はなかったという。チームの西道隆臣・同研究所チームリーダーは「42だけでなく43の産生を抑えるなど新たな治療戦略が必要と分かった。43は加齢によって顕著に増えることも確認されたので、早期診断に役立ちそうだ」と話している。【永山悦子】 毎日新聞 2011年7月4日 2時00分

関連過去記事はカテゴリー認知症にあり。

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2011年6月22日 (水)

アルツハイマー病やALS、進行抑える物質生成

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アルツハイマー病やALS、進行抑える物質生成 : 医療ニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)

 名古屋大学環境医学研究所の錫村明生教授らの研究グループが、アルツハイマー病や、悪化すると全身がまひする「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」などの進行を抑えるたんぱく質の生成に成功したと、21日付の米科学誌プロスワン電子版に発表した。

 発表によると、錫村教授らのグループは、漢方薬の原料である「甘草」の主成分が、脳内で多くなるとアルツハイマー病などを引き起こす「グルタミン酸」の大量放出を抑える効果があることを発見した。

 この成分を、末端の血管から脳内に行き渡りやすくするため、化学合成して新たなたんぱく質「INI0602」を生成した。マウスの実験でも、効果が裏付けられたという。

 錫村教授は「これまでの治療法と違い、症状を根本的に抑えられた。新薬の開発につながる成功で、今後は、薬になじみやすいよう改良したい」と話している。

 グルタミン酸はアミノ酸の一種で、脳内に侵入したウイルスを免疫細胞が“退治”する際、副産物として放出される。量が多くなると神経細胞を傷つけ、アルツハイマー病などの原因になることが知られている。

(2011年6月22日 読売新聞)

論文はネット上に公開されている。

http://ueharazaidan.yoshida-p.net/houkokushu/Vol.24/pdf/147_report.pdf

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