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2012年2月24日 (金)

老人性難聴

ふじみ野市マサキ薬局の 漢方なブログ です。漢方・健康情報を主体に書いて行きます。
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最近難聴に関するお問い合わせがメールで続き、返事を出しています。

その内容をこのブログにも掲載しておくのもよいかと思い転載します。

メール拝見しました。

お父上様をご心配の様子お察しいたします。

難聴になっているときは聴覚系のどこかの器官、組織に異変が起って聴覚機能が低下しているいるわけです。

老人性難聴と診断されたということは、組織、器官に構造的に大きな変化が認められなくて、聴神経に加齢に伴う萎縮が起こっていると判断されたのだと思います。

身体のどの部分に関しても老化は起こりますが、当然のことながら老化したものを少年時代の状態に戻すことは不可能です。

完全に機能を失った細胞(死んだ細胞)を蘇らせることは東西を問わず今の医学ではできませんが、弱った細胞の元気をある程度回復させることは可能性があります。

それにはひとが皆持っている自然治癒力といわれる能力が関係してきます。

漢方医学の特徴は、この自然治癒力を助けることで病気から回復させるという点にあります。

難聴に対しても同じです。

では漢方は難聴に対してどう対応するかです。

漢方の生理学・病理学では陰陽五行論という理論が基本にあります。

耳などの感覚器官は内臓とつながって連携して働いているとされます。

耳は腎とつながっており、難聴のもとは腎の不調が関係するとして治療するのが原則です。

現代医学の腎臓とはイコールではありません。

耳に血液・体液・栄養を補給するポンプの役目をしているのが腎臓です。

機能低下した聴覚を回復するには、いたんだ箇所を修復する材料となる栄養物質を送り届ける必要があります。

そのためには腎が正常に機能していることが重要というわけです。

五臓六腑といいますが腎は他の臓腑と調和とれてはじめて正常に機能することができます。

すべての臓器が健康であることが真の健康です。

特に肝腎かなめの言葉があるように、腎と肝が要になります。

陰陽、虚実、寒熱、気血水というような色々な物差しで体全身のバランスの崩れをを見ていきます。

その歪を天然物で是正しようというのが漢方です。

難聴の場合も聴覚にかかわる組織の細胞に栄養を送っていたんだところを修復し元気を回復させようというわけです。

従って、耳に良い栄養の摂取と腎の正常な機能が大切になります。

栄養として重要なのは腎を助ける、カン味(塩辛い味)の食物の補給です。

ミネラル豊富な食物、天然塩、海藻、などです。

http://blogmasaki-ph.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-bfd3.html

老人性難聴の対応に腎を助ける処方が不可欠になります。

八味地黄丸という処方が代表です。

http://blogmasaki-ph.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/yomidr-52ec.html

また、耳は体の側面に位置します。

側面の部位の異常に対応する薬物に柴胡という漢方薬があります。

この柴胡を配合した処方も繁用されます。

コエンザイムQ10が難聴予防になるというニュースも出たことがあります。

http://blogmasaki-ph.cocolog-nifty.com/blog/2009/11/yomiuri-onlin-2.html

人間と機械との大きな違いのひとつは、機械は部品ごとに取り外して修理できますが人間は臓腑器官を分離して修理することはできないことにあります。

西洋医学はいたんだ部分に限定して対応するしますが漢方は全身症状を見て歪を是正する対応を取りますので難聴に対して試してみる価値はあると思います。

以上一般的な話になりました。

お会いできれば的確なアドバイスができるかと思いますが、いずれにしても漢方に詳しいドクターか薬局の漢方家に会って相談されてお話をお聞きになることがよいと思います。

 

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