骨粗しょう症、検診は若いうちから
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リンク: 骨粗しょう症、検診は若いうちから :日本経済新聞.
国内の患者数が1300万人といわれる骨粗しょう症は、骨がもろくなって折れやすくなる病気。若いつもりでも骨の老化は意外に進んでいる。最近の研究で糖尿病など生活習慣病の人は、骨粗しょう症になりやすいことが分かってきた。背中の骨は折れても気づかない場合があり、骨折の放置は寝たきりにつながる恐れもある。医師は早期発見につながる検診が大切だとしている。
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かかとの超音波のほかに前腕だけのX線検査もあり、最も簡便な方法として自治体の検診に用いられている。ただ、部分から全身を推定しているだけで、実態を必ずしも正確に表すとは限らず「密度が良く出ることが多い」(宇都宮記念病院整形外科の岩本範顕氏)。
血液検査で発見
血液などの検査から早期発見できた例もある。宇都宮市在住のBさん(59)は検診で前腕密度は70%以上あったが、病院で特殊なX線装置で精密検査したところ、腰の骨が69%、股関節が72%。70%を下回る部分があるので骨粗しょう症を疑うが、がんなどでも低くなることがあるため血液検査を実施。古い骨が壊れる速さと新しい骨ができる速さを調べる骨代謝マーカーを測定したところ骨が壊れる速さが正常値の約1.2倍だった。
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1300万人とされる患者のうち、治療を受けているのは200万~300万人程度。東日本大震災にみまわれた仙台市の中條整形外科医院では「3~5月の背骨の骨折が約3倍に増えた」(中條悟院長)。地震でけがをしたわけではなく、水や灯油を運ぶことで折れた。60~80歳代女性が大半で、これまでに検査も治療もしていなかった。同様の作業をしても折れなかった人は「なんらかの骨粗しょう症治療薬を飲んでいた」(中條院長)と話す。
骨粗しょう症は年だからとあきらめがちな人も多いが、「骨が壊れるのを抑える薬だけではなく、新しく骨を作る薬も昨秋に登場。治療できる病気になりつつある。まず検査を受けてほしい」(岩本氏)と訴える。重症のため、この薬を与えて8カ月間にわたって様子をみた11人の患者では、腰の骨の密度が6.8%増えていた。
島根大学の杉本利嗣教授らの調査研究では、糖尿病や慢性腎臓病などの生活習慣病になると、骨粗しょう症による骨折のリスクが高まることが分かってきた。
同大病院に通う糖尿病患者約300人と健康な人約700人を比べたところ、骨折のリスクが約2倍高かったという。また、女性に多い骨粗しょう症だが、糖尿病では男女を問わず多かった。さらに、「骨密度」は十分に維持されていたが、骨の強度を決める別の要素である「骨質」の劣化が見られたという。
杉本教授は「骨粗しょう症は沈黙の病気。日本人には背骨の骨折が多いが痛みを伴わない例が多く、3人に2人は気づかずにいる」と指摘する。
WHO指標導入へ
「骨質」を測る検査はまだ研究段階で普及してはいないが、早期に治療を開始することで骨粗しょう症による骨折を防止すべきであることが、世界的な共通認識となっている。日本骨粗鬆(しょう)症学会が年内に改訂する新しい予防と治療ガイドラインでは、世界保健機関(WHO)の骨折リスクを評価する「FRAX」を導入予定だ。
FRAXはWHOが2008年に公表した骨折リスクを評価する指標。今後10年間に骨粗しょう症による骨折が生じる確率を計算する。ネット上で日本語で公開されており、年齢や身長、体重、骨折歴、両親の足の付け根付近の骨の骨折歴、喫煙有無などを入力し算定する。リスクが高い場合には骨密度が減少した段階で厳密に骨粗しょう症といえなくても早期に薬物治療を始めるよう進めていく。
(吉野真由美)
[日本経済新聞夕刊2011年9月16日付]
FRAXーWHO骨折リスク評価ツールはこちらにある。
http://www.shef.ac.uk/FRAX/tool.jsp?lang=jp
マサキ薬局でも時々(3ヶ月に一度くらい)、かかとに超音波をかけるスタイルの測定器を借りて測定会をやる。
良質のカルシウム剤を服用しながら食生活に気をつけてもらうことも骨密度の改善に役立っている。
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