乳幼児のRSウイルス感染に注意 今年は7月から患者が増加
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乳幼児のRSウイルス感染に注意 今年は7月から患者が増加 - MSN産経ニュース 2011.8.31 07:46
2歳までに乳幼児のほとんどが感染するとされるRSウイルス。例年は秋から春にかけて流行する感染症だが、今年は7月から患者が増えているという。ただ、インフルエンザなどに比べて認知度は低く、予防するためにも、専門家は認知度の向上を課題に挙げている。(森本昌彦)
◆低い認知度
「今年は7、8月にRSウイルス感染症で入院するお子さんが非常に増えています」。昭和大学医学部小児科の水野克己准教授は話す。
RSウイルス感染症は秋から冬にかけての長い期間にわたって流行し、12~1月がピークとされてきた。昨年までは同時期にRSウイルスに感染した子供はそれほど多くなかったという。
RSウイルスについて、水野准教授は「以前に比べると増えたが、10人のお母さんに話して1人ぐらいが知っている程度です」と認知度の低さを懸念する。
事実、医薬品大手「アボットジャパン」(東京都港区)が7月に実施した調査によると、妊娠8カ月以上の妊婦でRSウイルス感染症がどのような病気かを知っていたのはわずか2・4%。名前は聞いたことがあるのは27・1%で、7割が名前すら知らなかった。乳幼児(2歳未満)を持つ母親でも同様で、どのような病気かを知っているのは3割以下。インフルエンザについては妊婦の83・7%、母親の91・2%がどのような病気かを知っており、大きく差が開いている。
こうした現状について、水野准教授は「RSウイルスは1カ月未満の子供でもかかる。妊婦さんが知っておかなければいけないウイルス感染症の一番はRSウイルスです」と警鐘を鳴らす。
◆普段から予防を
RSウイルス感染症は、なぜ乳幼児にとって危険なのか。RSウイルスは何度も感染し、悪化すると肺炎などを起こし、最悪の場合は死に至ることもあるからだ。特に重症化しやすいのは、生後6カ月以内の乳児や早産児、慢性肺疾患や先天性心疾患などの基礎疾患を持っている乳幼児とされる。
幼い頃にRSウイルス感染症が重症化し、肺などの下気道感染症になった場合は、将来的な不安もあるという。水野准教授は「長期にわたって、喘鳴(ぜんめい)(気管が狭くなり、呼吸時にゼーゼーというような音がする状態)、ぜんそくになるリスクが高くなる。小さいときにRSウイルス感染症が重症化しないようにすることが大事だ」と話す。
ただ、RSウイルスは一度感染しても持続的な免疫ができにくく、予防ワクチンや特効薬もないのが現状だ。このため、RSウイルスに感染しないよう、普段の生活で対策を取ることが重要になる。
感染を防ぐため、普段の生活での注意点として、水野准教授は、手洗い・うがいを徹底する▽接触感染を防ぐため、流行期に子供が集まる場所になるべく行かない-ことを挙げる。
また、母乳で育てることや妊娠中の積極的なビタミンD(魚・キノコなどに多く含まれる)の摂取も有効という。重症化を防ぐ手段としては「シナジス」と呼ばれる抗体製剤の投与があるが、100ミリグラムで約15万円と費用が高いのがネック。ただ、29~35週の早産で6カ月以下の新生児や乳児などは健康保険が適用され、重症化のリスクが高い早産児には投与を勧めている。
【用語解説】RSウイルス感染症
Respiratory Syncytial Virus(呼吸器合胞体ウイルス)の略で、風邪の原因となる一般的なウイルスの一つ。乳幼児が最も感染しやすいウイルスで、1歳の誕生日までに70%の乳児が初感染し、2歳までにはほとんどの乳幼児が感染するとされる。通常、健康な乳幼児が感染した場合、38~39度程度の発熱、鼻水、せきなどの症状が出て、多くは8~15日ぐらいで治まる。発熱症状がないこともある。
RSウイルスの過去記事
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潜伏期間は2~5日、通常、軽快には1~2週間を要するといわれます。
RSウィルスに対しては、インフルに対するタミフルのような治療薬はありません。
くすりは対症療法薬しかありません。
つまり、解熱鎮痛薬、咳止め薬、鼻炎の薬などで対処するわけです。となると、漢方処方の出番になります。
RSウイルス 例年より遅く現在も流行中 10/03/27
楠田聡・東京女子医科大教授(新生児学)によると、冬季に乳児が鼻汁、せきに続いてゼイゼイ言うような場合は30~40%がRSウイルス感染症によると考えられるという。大人は鼻孔などの上気道の感染で済むため症状は軽いが、乳幼児は気管支などの下気道に感染するため、重症化する恐れがある。
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