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2011年7月27日 (水)

あいまい「生涯100ミリ」、放射線基準見通し立たず

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asahi.com(朝日新聞社):あいまい「生涯100ミリ」、放射線基準見通し立たず - アピタル(医療・健康) 2011年7月26日23時52分

 放射性物質の影響について食品安全委員会が26日にまとめた答申案は、食品だけでなく外部からの被曝(ひばく)を含め「健康影響が見いだされるのは、生涯の累積で100ミリシーベルト以上。平時から浴びている自然由来の放射線量は除く」という具体性に欠けるものになった。今後パブリックコメントを経て、8月下旬にも厚生労働省に答申することになるが、厚労省は「回答になっていない」(幹部)と困惑気味だ。具体的な基準づくりへの見通しが立っていない。

 東京電力福島第一原発事故を受け厚労省は今年3月、放射性物質が含まれる食品の流通を規制するために「暫定基準」を緊急的に設けた。ただ、食品安全政策は厚労省の独断では決められず、科学的な根拠を得るために食品安全委に諮らなければならない。

 細川律夫厚労相が諮問したのは、食品について「放射性物質の指標値を定めること」。厚労省幹部は「食品全体からの被曝が年間何ミリシーベルトという数値を想定していた」という。

 同委も当初、食品だけを考えていた。だが食品からの内部被曝と、外部環境からの被曝を分けた論文はほとんどなかったこともあり、「健康への影響を考えるには、内部と外部は分けられない」と判断した。

7月22日のエントリー 「生涯被曝100ミリ基準 食品安全委の事務局案」のとおり答申されたということ。

「委員長からのメッセージ~食品に含まれる放射性物質
  の食品健康影響評価について~」
  食品安全委員会委員長 小泉直子

1 福島第一原子力発電所の事故に伴う食品の放射性物質による汚染に関し、平成23年3月17日から厚生労働省で食品衛生法上の暫定規制値を設定し、管理が行われています。この暫定規制値は、緊急を要するために食品安全委員会の食品健康影響評価を受けずに定めたものであったことから、3月20日の厚生労働大臣からの諮問を受け、食品安全委員会では3月29日に緊急とりまとめをまとめました。この緊急とりまとめでは、放射性物質の発がん性のリスクや胎児への影響等に関する詳細な検討、ウラン等の曝露状況を踏まえた上での評価等が今後の課題となっておりました。
 このため、4月21日から放射性物質の専門家等を含めた「放射性物質に関する食品健康影響評価のワーキンググループ」において緻密で詳細な審議が行われてきました。客観的かつ中立公正に科学的知見に基づいて審議をするため、国際機関等による評価を参照するだけではなく、その元となった文献にも遡って科学的知見を検証すべく、国内外の放射線影響に関する非常に多くの文献(3300文献、総ページ数約3万ページ)にあたりました。これまでに9回のワーキンググループ会合を重ねて食品健康影響評価書案がとりまとめられ、本日、食品安全委員会としてもこれについてパブリックコメントの手続きを行っていくことを決定しました。今後国民の皆様からのご意見をお聞きした後、評価書を確定していくことになります。また、国民の皆様へわかりやすく説明し理解していただくた
めのリスクコミュニケーションも進めてまいります。

2 今回の評価書案のXIIIに記載されていますが、放射線による健康への影響が見いだされるのは、現在の科学的知見では、通常の一般生活において受ける放射線量を除いた生涯における追加の累積線量として、おおよそ100mSv以上と判断されています。小
児に関しては、甲状腺がんや白血病といった点でより影響を受けやすい可能性があるとされています。
 食品安全委員会が行うのは食品健康影響評価ですので、この値はあくまで食品のみから追加的な被ばくを受けたことを前提としていますが、この根拠となった科学的知見については、収集された文献に内部被ばくのデータが極めて少なく評価を行うには十分でなかったため、外部被ばくも含まれた現実の疫学のデータを用いることとしました。
 累積線量としておおよそ100mSvという値は、生涯にわたる追加的な被ばくによる線量の合計がこの値を超えた場合に、この被ばくを原因とした健康上の影響が出る可能性が高まるということが統計的に示されているもので、大規模な疫学調査によって検出された事象を安全側に立って判断された、おおよその値です。文献において、明らかに健康上の影響が出始めると考えられる数値的データは錯綜していましたが、この値は、それらも踏まえて検討されたものです。累積線量としておおよそ100mSvをどのように年間に振り分けるかは、リスク管理機関の判断になります。

3 本年3月29日にまとめた食品安全委員会の「緊急とりまとめ」は、緊急時における取扱いを示したものであり、累積線量で示した今回の考え方は、緊急時の対応と矛盾するものではありません。緊急時には、より柔軟な対応が求められることも考えられます。

4 なお、100mSv未満の線量における放射線の健康への影響については、放射線以外の様々な影響と明確に区別できない可能性や、根拠となる疫学データの対象集団の規模が小さいことや曝露量の不正確さなどのために追加的な被ばくによる発がん等の健康影響を証明できないという限界があるため、現在の科学では影響があるともないとも言えず、100mSvは閾値(毒性評価において、ある物質が一定量までは毒性を示さないが、その量を超えると毒性を示すときのその値。「しきい値」ともいう。)とは言えないもので
す。

5 「食品に関して年間何mSvまでは安全」といった明確な線を引いたものになっていませんが、食品安全委員会としては、科学的・中立的に食品健康影響評価を行う独立機関として、現在の科学においてわかっていることとわかっていないことについて、可能な限りの知見を誠実に示したものとご理解いただければと考えます。今後は、パブリックコメントの手続きを経て本評価結果がまとめられますが、その結果を踏まえ、食品からの放射性物質の検出状況、日本人の食品摂取の実態等を勘案しながら、リスク管理機関において
適切な管理措置がとられることを期待しています。

外部被曝が大きければ内部被曝は出来るだけ小さくして被曝総量を出来るだけ少なくしようというのは当たり前のこと。

データーがほとんど無い様だから曖昧なのは仕方がないのかも。

武田邦彦先生は一歩前進は認められるという評価。

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