アルツハイマー病を寄せ付けない生活習慣
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ゲンダイネット 話題の焦点 2011年4月5日 掲載
海外データで深い関係が判明
●禁煙、血圧正常化、ウコン摂取…
認知症のひとつアルツハイマー病は薬こそあるが、治療が難しい。発症すると厄介だからそうなる前に何とかしたい。さまざまな研究結果から、アルツハイマー病を改善する生活習慣と、助長する生活習慣が分かってきた。そのエッセンスを紹介しよう。聖マリアンナ医大神経内科元准教授で、米山医院院長の米山公啓氏に聞いた。
今年2月にフィンランドの研究者が報告したのは、たばことの関係だ。
「約2万人を追跡調査したうち、約1100人がアルツハイマー病を発症しました。喫煙の有無でアルツハイマー病の発症リスクを比較すると、“1日2箱超”のグループは“非喫煙者”に比べて有意に約2.6倍高かった。“1日1箱超~2箱以下”と“1日0.5箱超~1箱以下”のグループは、上昇傾向が認められましたが、有意差はなし。“1日0.5箱未満”と“過去の喫煙者”は上昇傾向も有意差もありません」
本数で引っかかるのは「2箱(40本)超」だけということ。注目は吸い方によって発症リスクが違うことだ。
「“1日2箱超”はアルツハイマー病の発症を明らかに助長しますが、“過去の喫煙”で上昇傾向も有意差もなくなるのですから、“禁煙”すればリスクをチャラにできる可能性があるのです」
喫煙すると、血圧が上がる。ヨーロッパの研究から、高血圧(140/90mmHg以上)はそうでない人に比べてアルツハイマー病の発症リスクを約2倍に引き上げる。“禁煙”すれば血圧も下がるから、一石二鳥だろう。
「高コレステロール血症(140mg/dl以上)と肥満=体重(キロ)を身長(メートル)で2回割ったBMI値が25以上=も、アルツハイマー病発症リスクが約2倍高い」
肥満はともかく、血圧やコレステロールは薬で下げることができる。それでもいいが、生活改善で数値を下げる方が、アルツハイマー病の発症リスクを下げる意味ではよさそうだという。
「別のヨーロッパの研究では、1回20分以上の汗ばむくらいのウオーキングなどの有酸素運動を週2回以上していると、していない人たちに比べて、発症リスクが3分の1に下がります」
食事では、ウコン(ターメリック)が効果的という。
「インド人と米国人を比較すると、アルツハイマー病の発症率は、インド人が4分の1。詳しい原因は不明ですが、インド人は米国人よりカレーなどからよくウコンを取ることがプラス要因ではないかと解説されています」
動物実験ながら、ウコンを混ぜたエサを食べて育ったマウスは、通常のエサで育ったマウスよりアルツハイマー病の発症率が低いという研究結果もある。毎日カレーを食べるのは無理でも、ウコンのパウダーをお湯に溶いて飲むウコン茶なら、飲みたいときに飲めるだろう。
こうしてみると、今すぐ実行できそうなことばかりだ。さあ、始めよう。
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