放射性物質付着の農産物 直ちには健康害さず
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東京新聞:放射性物質付着の農産物 直ちには健康害さず:社会(TOKYO Web) 2011年3月22日 朝刊
福島第一原発の事故で放射性物質が拡散していることを受け、政府は農産物の暫定規制値を定め、出荷停止を指示した。規制値は厳格な国際基準に準拠している。政府によると、値を10倍程度超えた農産物を万が一、口にしても、ただちに健康を害することはないという。
Q 放射性物質の付着した食品を食べたり、飲んだりするとどうなる。
A 放射性物質が食べ物を通じて体内に入り、放射線を出し続ける。健康被害の出ないように規制値を決め、出荷を停止することになった。
Q 規制値を超えた食品を口にすると、すぐに体に悪影響が出るのか。
A 茨城県日立市で十八日に採取したホウレンソウから一キロ当たりで、規制値の約二十七倍の五万四一〇〇ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。だが、一度に一キロを口にする人は少ない。
政府は、規制値の二〇〇〇ベクレルのホウレンソウ一キログラムを毎日、一年間食べてもCTスキャンの放射線量の約五分の一と例を挙げ、市民に冷静な対応を求めている。
Q ただちに害はないのに、なぜ出荷が停止になるの。
A 規制値は、一キログラムを一年間食べても大丈夫なように設定してある。値以上の食品を一度口にしても大丈夫だが、被ばく量は少ない方がよいからだ。値以下の別の農産物は大丈夫というメッセージを出し、全体の風評被害を防ぎたいという狙いもある。
Q ホウレンソウの汚染が目立つのは。
A 放射性物質は大気中を漂い、地上に落ちてくる。ホウレンソウなどは葉の表面積が広いので付着しやすい。ただ、外側に付いても内部には入りにくいので、流水で洗うとかなりを除去できる。お湯はさらに効果的だ。
Q ネギやほかの野菜の汚染はどうか。
A 政府は二十日、茨城県内のネギについて、規制値よりも大幅に低いと発表した。ネギは表面積が葉物野菜より小さく、放射性物質が付着しにくい。また、放射性物質の土壌への浸透はゆっくりで、短期間では大根など根菜類への影響は少ないとされる。
Q 暫定規制値はどうやって決めたの。
A 食品衛生法は放射性物質の汚染について規定していない。今回は原子力安全委員会が示した「飲食物摂取制限に関する指標」を暫定的に用いることになった。国際機関「国際放射線防護委員会(ICRP)」が示した値に準拠し、健康被害の出る値よりも厳しく設定しているとされる。
Q すべての食品で規制値は同じか。
A 野菜類、牛乳・乳製品、穀類など品目ごとに異なる。人が平均的に摂取する量や、食品ごとの放射性物質が濃縮しやすい度合いなどで、規制値は異なる。摂取量の多い水や、放射性物質が濃縮される牛乳の規制値は厳しい。放射性物質の種類ごとに人に与える影響は異なるため、放射性ヨウ素やセシウムなど別々に値が決められている。
<放射性物質> 放射性ヨウ素、セシウムなど放射線を出す物質。放射性ヨウ素はガス状で、吸い込むと肺にまで達しやすく除去しにくいが、影響力が半分に弱まる半減期が約8日間と短い。約1カ月で16分の1、3カ月でほぼゼロになる。セシウムは粒子状で、マスクをすれば吸入を防ぎやすい半面、半減期は30年と長く、60年たっても4分の1が残る。ヨウ素は遠くまで飛散しやすく、セシウムは近場に落ちやすい性質がある。
ただちに健康を害することはない というのは、理解に苦しむ科学的でない表現。
被曝の被害の恐ろしさは、被曝は自覚できず、直後は何ともなくても数ヵ月後、数年後に白血病や癌などを発症することにある。
そのことも踏まえた専門家の議論を経て今の基準値が定められているはず。
これを尊重して将来を推測するのが常道のはず。
この基準値を無視するような理論を展開していくと安全域が判らなくなりかえって風評を増長する。
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