狭心症の新治療法 衝撃波当て
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100万人と聞く虚血性心疾患の方への朗報でしょう。
リンク: 医療ナビ:狭心症の新治療法 重症患者に対する新たな治療法が… - 毎日jp(毎日新聞).
◆狭心症の新治療法 重症患者に対する新たな治療法が、厚労省の高度医療に承認されました。
◇衝撃波当て、血流回復 痛みや副作用もなし 泡が発生しマッサージ効果
重症の狭心症患者の心臓に、弱い衝撃波を体外から当てて血管が新たに作られるのを促し、心臓の筋肉(心筋)の血流を回復させるという東北大病院の新しい治療法が、厚生労働省の高度医療に承認された。痛みや副作用もなく、投薬やカテーテル治療、バイパス手術だけでは効果がない患者にも有効だという。どんな治療法なのか。
「ちょっと手を当ててみますか」
仙台市青葉区の東北大病院。衝撃波を発生させる装置を操作していた伊藤健太准教授(循環器内科)が記者に声を掛けた。恐る恐る装置の下に手を差し出すと、「パチッ、パチッ」という音とともに、指で軽くたたかれたような感触を手のひらに感じた。
「心臓に衝撃波を当てる」と聞くと、ぎょっとするが、使用する衝撃波は腎臓や尿管の結石破砕に使われる強度の10分の1。衝撃波には血管拡張作用もあるため、「胸が温かくなり、気持ちがよくなって眠ってしまう患者も多い」と、この治療法を開発した下川宏明・東北大教授(循環器内科)は話す。
狭心症は、動脈硬化などが原因で心臓を流れる血管が狭くなり、心筋に十分な血液(酸素)が流れなくなって胸の痛みや不快感を生じる病気だ。
従来の標準治療には、血管拡張剤などの投薬▽狭くなった部分に血管を広げる網目状の金属管(ステント)などを入れるカテーテル治療▽別の血管をつなぐバイパス手術--がある。しかし、「最近は生活が欧米化して動脈硬化が増え、日本人でも心臓の広範囲で血液不足になり、カテーテル治療やバイパス手術では治し切れない患者が増えている」(下川教授)という。
10月初旬に同病院で衝撃波治療を受けた宮城県石巻市の男性(81)は3年前、心臓の表面を走る3本の冠動脈のうち1本にステントを入れたが再び症状が悪化し、最近は「急ぎ足で歩く程度でも胸が痛かった」。ひどいときには、狭心症の発作を抑えるニトログリセリンを2日に1度は服用しなければならなかったという。
男性の治療は伊藤准教授が担当した。心臓のエコー(超音波)画像を見ながら、血流の足りない場所を狙って衝撃波発生装置を胸に当て、心臓が最も拡張したタイミングで心拍に合わせて衝撃波を発射する。肺に衝撃波が当たると危険なため、循環器専門医が行う必要があるという。
1カ所につき衝撃波を200回当て、これを20~40カ所で繰り返す。約3時間に及んだ治療後、男性は「痛みはなく、風が当たっているような感じだった」と話した。男性はこの治療を1日おきに3回受けて退院した。
そもそも、下川教授が衝撃波治療に着目したのは01年。学会で「培養した内皮細胞に衝撃波を当てると一酸化炭素が発生した」というイタリアの研究者の発表を聞いたのがきっかけだった。一酸化炭素には動脈硬化を防ぐ作用があることが知られており、「これは(狭心症治療に)使える」と着想した。
「衝撃波を当てると、細胞内に微小な泡が発生する。この泡がマッサージのような働きをし、それが刺激になって血管を作るさまざまな仕組みが起動するとみている」と下川教授。九州大と東北大で動物実験や臨床試験を実施し、最適な衝撃波の強度や発射回数などを確立した。東北大での臨床試験は既存の治療で効果が不十分だった重症患者8人(61~80歳)を対象とし、血液の心拍出量や歩行距離、ニトログリセリンの使用量などが改善することを確かめた。
7月に厚労省の高度医療に認められ、3回の衝撃波治療に伴う費用26万5500円は全額患者負担となるものの、それ以外の検査や入院費は保険が適用される。同病院では今後、50人の患者にこの治療を実施し、薬事法の承認や全額保険適用に向けた治療データの収集を進める。
下川教授は「人体の持つ自己修復力を生かした治療法と言える。全身麻酔や手術が必要なく、副作用も見られないため、高齢者や他の病気を併発している患者の生活の質を上げるのに貢献できる」と話している。【西川拓】 毎日新聞 2010年10月31日 東京朝刊
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