RSウイルス 知らないと危ない
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ゲンダイネット 2010年9月28日 掲載
インフルより感染力強く、特効薬なし
これから寒くなると、感染症にかかりやすくなる。その代表格として恐れられているのがインフルエンザだろうが、実は“インフル恐怖心”が強過ぎるあまり、見落とされがちなウイルスがあるのをご存じか? それがRSウイルスだ。どんなウイルスなのか。倉敷中央病院総合周産期母子医療センター・渡部晋一主任部長に聞いた。
●乳幼児は重症化しやすく死亡例も
「RSウイルスは、2歳までに100%感染します。しかし、ウイルスから身を守る抗体がなかなかできないため、乳幼児が感染すると、重症化しやすい。しかも感染者数がインフルエンザより多いのですから、最も注意しなければいけないウイルスといっていいのです」
厚労省と感染症研究所が毎年調査している感染症週報によると、ここ3年連続でRSウイルスの感染報告数がインフルエンザを圧倒。“新型インフル騒動”で揺れた去年でさえ、RSウイルスの感染報告数が上回っているのだ。
「健康な成人がRSウイルスにかかっても、多くは熱が出ず、鼻風邪で済みます。一般の方は“熱さえなければ大丈夫”と軽く考えがちですが、実はそれが感染を拡大させているのです。乳幼児が要注意ですが、大人も侮れません。高齢者や、肺や免疫系、神経系、筋肉系などに持病があると、乳幼児と同じように重症化して、命を落とすことがあります」
RSウイルスは4~5日の潜伏期間を経て発症する。鼻水や咳、のどの痛み、熱などの上気道炎症状が表れ、乳幼児だと発症者のうち30%が重症化。感染が気道の奥の下気道に進んで、「呼吸が浅くなる」「ゼーゼーする」「呼吸数が増える」「食欲がなくなる」「眠れなくなる」などの症状に襲われるという。
●手洗いとマスクが一番効果あり
「RSウイルス感染症は特効薬がないので、総患者数のうち60~70%が入院を余儀なくされます。ウチの少し古いデータですが、2006年7月から08年3月までにICU(集中治療室)で治療したRSウイルスの乳幼児22人のうち、4人が残念ながら亡くなりました」 亡くなった4人のうち1人は、8歳の女児。死因は、RSウイルスが心臓に感染する心筋炎だった。リスクが高い乳幼児でも、亡くなるケースは呼吸器などに持病があることが多いとされるが、この8歳の女児は持病がなかった。別のある病院では、RSウイルスに感染した成人が心筋炎を引き起こしたという。
「RSウイルスが、インフルエンザのように脳症を起こすことも分かっています」
とにかく怖いウイルスなのだが、健康な成人にとっては単なる鼻風邪だから厄介。鼻水を拭いた手で子供に触ったり、親を介護したりすると、大変な目に遭わせる恐れがあるのだ。では、どうするか?
「単純なことですが、手洗いとマスクが一番。RSウイルスの人がハナをかんだ手をテーブルに置くと、テーブルに付着したRSウイルスは8時間も感染力を持つ。お子さんや高齢者、呼吸器などに持病がある方が家族にいらっしゃるご家庭では、アルコールなどで消毒するのも有効です」
もし乳幼児や高齢者へのRSウイルス感染が疑われるときは、すぐ病院を受診することだ。
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◇RSウイルスチェック□38度以上の熱がある
□呼吸が浅く、呼吸数が1分間に60回近くなる
□ゼイゼイせきが続く
□たんが詰まる
□発症後、数時間で急激にぐったりする
(以上の項目に一つでも当てはまったら受診を)
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