海外普及薬、早期承認…厚労省方針
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リンク: 海外普及薬、早期承認…厚労省方針 : 医療ニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞).
5種類 治験省き来春にも
海外で広く使われている薬が日本で未承認だったり、一部の病気への使用に限られていたりする「ドラッグ・ラグ」を解消するため、厚生労働省検討会議は3日、卵巣がん治療薬など5種類の適応拡大を認め、国内の臨床試験(治験)を省略して早期に承認すべきだと判断した。早ければ来春にも使えるようになる。
検討会議は今年4月、患者団体や学会から要望があった計374件のうち、109件を「医療上の必要性が高い」と判断。うち108件について、厚労省は5月、製薬企業に開発スケジュールやこれまでの治験データなどの資料提出を求めた。
資料を検討した結果、省略できると判断されたのは、対象疾患3件への適応拡大が認められた「エンドキサン」や、肺がん治療などに使われる抗がん剤で患者団体が要望していた「ジェムザール」の卵巣がんへの適応など5種7件にとどまった。製薬企業は11月までに承認申請を提出する。
日本製薬工業協会によると、海外で初めて発売された新薬が日本で発売されるまで平均4・7年かかる。米国は同1・2年。特に、患者数が少ない難病治療薬は、臨床試験のコストが高く、開発が遅れがちとなっている。
患者から喜びの声
「亡くなった仲間に報告を』
海外で承認されている薬が日本では使えない「ドラッグ・ラグ」問題。厚生労働省の新制度で、「必要性が高い」とされ、検討対象となった108件のうち7件の「適応拡大」が事実上決まった3日、待ちわびた患者から喜びの声が上がった。一方、対象の薬が「先送り」になった患者から落胆の声が漏れた。〈本文記事1面〉
「この薬を使えずに亡くなった仲間もいる。やっと良い報告ができる」。厚労省の検討会議が開かれた会場で結果を待っていた「卵巣がん体験者の会スマイリー」代表の片木美穂さん(36)(東京都三鷹市)はしみじみと語った。対象の薬はジェムザール。肺がんなど5種類のがんで承認されているが、年に約9000人が発症するとされる卵巣がんでは適応外だった。
片木さんも2004年に卵巣がんが見つかった。承認済みの抗がん剤は治療効果があったが、「抗がん剤は使用を続けると効果が薄くなる。一つでも多くの種類が必要」との思いから、06年、ジェムザールの早期承認を求める活動を始めた。
片木さんは「もっと素早く対応しなければ助からない命もある」とも話した。
この日は、乳幼児期から発熱を繰り返し、関節が痛んで歩行困難になる難病「クリオピリン関連周期性発熱症候群」の未承認薬への対応も協議された。
国内の推定患者数50人とまれな病気で、効果が期待できる薬が少ない。しかし米国では、炎症を抑えて症状を改善する2種の新薬が08、09年に認められている。このうち1種については開発を担う製薬会社が現れず、もう1種は通常の国内での臨床試験が始まっており、今回は見送りになった。
次女(5)がこの病気を患う戸根川理登さん(38)(横浜市)は「患者数が少ない小児難病の薬は、利益も少ないため製薬会社が臨床試験を実施したがらない。海外で有効性が確認された薬をもっと早く使える制度を作ってほしい」と話した。
(2010年8月4日 読売新聞)
この背景は
リンク: 「ドラッグ・ラグ」解消へ 国、未承認薬など109品目開発要請 (1/2ページ) - MSN産経ニュース 2010.5.9 22:13
海外で承認されている薬が日本で使えない「ドラッグ・ラグ」の解消に向け、厚生労働省は5月中旬にも、未承認薬など109品目について、国内販売に向けた準備に入るよう製薬会社に要請する。検討会の結果を受けた措置で、厚労省が一度にこれほど多くの医薬品について承認を促すのは初めて。一刻を争う難病やがん患者らの期待が高まっている。(長島雅子)
日本製薬工業協会によると、外国で新薬が発売されてから日本で発売されるまでに平均で4・7年かかる。米国(1・2年)の約4倍の期間だ。
特に難病やがんなどで患者数の少ない治療薬は予想販売量や治験に参加できる日本人患者が少ないため、国内での開発が遅れがちだった。しかし、今回は国のてこ入れもあり、製薬企業も協力的とみられる。
「命をつなぐためにすぐに承認してほしい」。厚労省は今年2月、患者らの切実な声を受けて検討会を設置。要望のあった374品目を検討し、今回109品目を「医療上の必要性が高い」とした。別の病気で承認されているのに病気が異なると医療保険が適用されない「適応外薬」も含む。まだ検討が済んでいない医薬品も多く、6月をめどに最終結論を出す方針だ。
厚労省の計画では、要請を受けた会社は1年以内に治験に着手するか、海外などで使用実績がある薬については治験を行わず、半年以内にデータを検討会に提出するよう求めている。
厚労省は企業の研究開発を支援するため、新薬の特許期間中は薬価が下がっても補(ほ)填(てん)しているが、要請した開発が進まなければ補填分を返納させる罰則も設け、実効性を持たせた。
検討会設置から3カ月足らずの「要請決定」に、患者らは「早い結論でありがたい」と喜ぶ。ただ、実際の承認までには「審査期間を含め、最短でも1年3カ月はかかる」(厚労省審査管理課)といい、一刻を争う患者の思いは複雑だ。
「患者にとってはこれからが長い。製薬会社は患者の切実な思いを受け止めて、誠実に対応してほしい」。「卵巣がん体験者の会スマイリー」の片木美穂代表(36)はこう訴える。スマイリーが要望し、要請が決まった抗がん剤は肺がんなど5つのがんの治療薬として承認されているが、卵巣がんの治療薬としては承認されていない適応外薬だ。
進行すると脳や神経が破壊され、やがて寝たきりになる難病「ニーマン・ピック病C型」と闘う佐賀市の高藤吾子(あこ)ちゃん(4)の父、恒泰さん(40)は「吾子が寝たきりになるのは時間の問題。一刻も早く承認してほしい」と話している。
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