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2010年8月 7日 (土)

万能細胞の死因解明 神戸の理研“死の舞”抑制に成功

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 理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(神戸市中央区)は、さまざまな細胞になる能力があるヒトの胚性幹細胞(ES細胞)と人工多能性幹細胞(iPS細胞)を培養する際、高い頻度で細胞が死んでいた原因を、世界で初めて突き止めた。細胞の生存率を高め、効率的な培養につながる研究成果といい、6日(日本時間7日)付の米科学誌セル・ステム・セルに掲載される。

 ES細胞とiPS細胞は「万能細胞」と呼ばれ、傷ついた臓器や組織の治療に役立つと期待される。こうした再生医療には大量の細胞が必要となるが、通常は培養過程で大半が死んでしまう。これまで細胞内のリン酸化酵素の働きを抑えると細胞死が減ることは分かっていたが、そのメカニズムは不明だった。

 同センターの笹井芳樹ディレクターらの研究グループは、細胞死の前から数時間続く過剰な運動“死の舞”を発見。細胞の運動を調整するタンパク質「ミオシン」が過剰に活性化して表面の細胞膜が膨らみ、破裂して死に至ることを確認した。活性化を阻害する薬を投与したところ、死の舞と細胞死を抑制できた。

 また、培養のために細胞を分離することがリン酸化酵素を刺激し、それが活性化を引き起こしていたことが分かった。細胞分離の際、細胞死を抑制する別のタンパク質の抑制機能が弱まることも見つけた。

 一方、万能細胞は生体に移植した後に腫瘍化する危険性も指摘されるが、変異によって死の舞をしない細胞は腫瘍化しやすいことを、マウスの実験で確認。死の舞をする細胞に薬を投与したものだけを移植すれば、安全性が高まるという。

 笹井ディレクターは「細胞死をほぼ抑制し、効率よく大量に培養することが可能になる。腫瘍化を減らすための死の舞による見分け方も、臨床への応用に役立つ」と話す。

 【万能細胞】受精卵を壊して作るES細胞と、皮膚などの細胞に遺伝子を導入するなどして作るiPS細胞があり、あらゆる臓器や組織に成長する能力を秘めている。治療への応用や新薬の安全性確認などの用途も期待されるが、実用化に向けてはさまざまな課題がある。
(金井恒幸) (2010/08/07 08:13)

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