ASCOで大注目 肺がん飲む新薬がすごい!
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ASCOで大注目 肺がん飲む新薬がすごい!
9割の患者に効いた
がんを飲み薬で治す――。そんな新しい時代を予感させたのが先月シカゴで行われた米国臨床腫瘍学会(ASCO)だ。
がん研究の世界最大級の学会として知られ世界中から3万人以上のがんの研究者や医師、製薬関係者らが集まるこの学会で、今回もっとも注目を集めたのが肺がんに対する新たな分子標的薬。その臨床研究によると、この薬を飲んだ患者の約9割が病気の勢いを抑えられ、6割近くががんの大きさが縮小したという。一体どんな薬なのか? ASCOに出席した肺がんの専門家で神奈川県立がんセンター呼吸器科の坪井正博医師に聞いた。
「注目の薬はALK阻害薬という薬です。そもそもがんは細胞の設計図である遺伝子の病気です。肺腺がん患者の一部を調べると、ある共通した遺伝子異常が起きて、新しい遺伝子ができていることがわかってきました。それがEML4―ALK遺伝子です」
これは細胞の骨格タンパクを作るEML4という遺伝子とキナーゼと呼ばれるタンパク質リン酸化酵素を作るALK遺伝子の一部が入れ替わって(転座)できたもの。
「そのことで、がん化した酵素が作られ、ますますがんが増殖するというわけです。そこで今回、新しく見つかった、がん化した遺伝子にALKの活動を阻む薬であるALK阻害薬を与えたところ際立った成果が挙がったというのです」
●がんが小さくなった人が6割も
実際、82人の患者に250ミリグラムの飲み薬を1日2回飲ませただけで87%が病気の勢いが止まり、57%ががんが縮小したという。中には、まったくがん細胞が消えたという患者もいたという。
「肺がんは小細胞がんと非小細胞がんがあり、非小細胞がんは腺がん、扁平上皮がんなど部位ごとに5つに分かれています。今回対象となった肺がんは日本人男性の4割、女性の7割以上を占める腺がんです。これまでは肺腺がんの3割程度にEGFR(上皮成長因子受容体)遺伝子変異があることが知られ、これに対する新しい分子標的薬がすでに使われています。ところが、EGFR遺伝子に問題なくて肺腺がんになる人もいます。新しい薬はこういう人の一部に効くと考えられています。対象者は比較的若い人に多いといわれており、新たな薬で寿命を延ばす人が出てくるでしょう」
実際、日本のEML4―ALK遺伝子異常のある肺腺がんの患者が臨床試験の行われる韓国・ソウルで治療を受けてドラマチックな効果があったという。今後さらに大規模に行われる臨床試験では日本での試験参加、治療も可能になる。
「大変期待できる薬ですが、残念なのは発表者が韓国の研究者だったこと。このEML4―ALK肺がんを発見したのは実は日本人研究者です。日本での臨床試験のインフラ整備の悪さや薬剤開発の遅れのために、創薬では海外勢に先を越されてしまった。似たようなことは以前に乳がんの抗がん剤でも起きました。がんの研究者としては残念でなりません」
ともあれ、がんは治る時代に入りつつあるのだ。
科学技術振興機構(JST)のサイトに、科学技術振興機構報 第411号 「肺がんの原因遺伝子を発見」という報告がある。
http://www.jst.go.jp/pr/info/info411/index.html
平成19年7月12日の日付になっている。
3年前だ。
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