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2010年7月28日 (水)

新型インフル予防に「補中益気湯」

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リンク: 【漢方のちから 今、医療の現場で】(3)新型インフル予防に「補中益気湯」 (1/2ページ) - MSN産経ニュース.

 西洋医学も治せぬ患者に

 漢方を処方している医師の多くが「漢方薬を飲んでいると風邪をひかない」という印象を持っている。では、本当に漢方は風邪の予防に役立つのだろうか?

 これを初めて臨床で確かめた研究が昨年12月、英の医学誌『ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル』オンライン版に掲載された。厳密にいえば、対象とした病気は風邪ではなく、豚由来の新型インフルエンザ(H1N1)。昨年9月からの2カ月間東京都板橋区の愛誠(あいせい)病院で漢方薬の補中益気湯(ほちゅうえっきとう)を飲んだ群179人と飲まない群179人で、感染に差があるかを調べた。結果は、飲んだ群では1人、飲まない群では7人の感染で、有意差があった。

 研究を行った帝京大医学部外科の新見正則(にいみまさのり)准教授は「思っていたよりもはっきりと差が出たので私自身もびっくりした」と振り返る。

中止後も感染なし

 補中益気湯を選んだのは、補中益気湯は元気をつける薬で、免疫力を上げるとの動物実験も報告されていたからだ。飲む飲まないは本人の希望に任せたものだが、飲んだ群のうち14人は「苦くて飲めない」などの理由で1週間で服用を中止した。「補中益気湯は元気があり余っている人が飲むと、時々違和感が生じる。中止した人たちもその後感染していないことから、この人たちは既に十分元気と考えれば漢方的には納得できる結果だ」と新見准教授。

 臨床研究で結果の信頼性が最も高いとされるのは、薬を飲む飲まないを本人の意思と関係なく無作為に割り付け比較する「ランダム化比較試験(RCT)」だ。

 今回の研究は無作為ではないだけに、信頼性をさらに高めるためにRCTを行うことが期待されるが、新見准教授は「抗がん剤のように副作用も強く値段も高い薬は、RCTで科学的エビデンス(証拠)を追求する必要があるだろう。でも漢方は副作用がほとんどなく、しかも安い。もちろん、この結果をもって補中益気湯がインフルエンザの予防に有効だと結論しようとは思っていないが、信じる人が飲めばそれでよい」というスタンスだ。

試してみる価値

 新見准教授は英・オックスフォード大学大学院での留学から帰国した約10年前、「漢方なんていらない」と考えていた。それが血管外科医として患者を診るうちに西洋医学では治せない多くの患者に遭遇、西洋医学の限界を感じる。これらの患者に漢方を処方したところ、4人に3人に症状の改善がみられ、喜んでもらえるようになった。

 新見准教授は言う。「西洋医学で治る病気は西洋医学で治療した方がよいが、西洋医学で治らない症状や訴えを持つ患者さんは漢方を試してみる価値がある。漢方嫌いの医師はまだ多いが、困っている患者さんが漢方の恩恵を受けられるように、必要性を理解してほしい」(平沢裕子)

                   ◇

 ■組み合わせで効果アリ

 漢方は複数の生薬が組み合わさることで効果があることを新見准教授は動物実験で証明、学会誌『Transplantation(2009)』に掲載された。12生薬からなる柴苓湯(さいれいとう)は心臓移植後のマウスの拒絶反応を抑える効果がある。そこで柴苓湯から一生薬を抜いた柴苓湯を12種類作り、移植後のマウスに与え、拒絶反応が起こるまでの日数を調べた。結果は12種類すべてで本来の柴苓湯のような効果がみられず、薬として12生薬すべてが必要なことを裏付けた。

関連過去記事

補中益気湯(ほちゅうえっきとう) 09/03/21

新型インフル、漢方が予防効果 10/04/12

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