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2010年6月24日 (木)

紫根 突然脚光

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。漢方・健康情報を主体に書いて行きます。
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昨日(6月23日)、生薬・紫根(シコン)の電話も含め問い合わせが立て続きにあった。

一般の方が紫根を買いに来られるようなことマサキ薬局では何年かに1人あるかないか。
こんなことが起こるのは、決まってどこかのTV番組で取り上げた時。

震源地は、前日(6月22日)の、日本テレビの「魔女たちの22時」とわかった。

いたんだ肌に困っていた中年の女性が紫根を使って劇的に美肌になれた、という内容だったらしい。

15gの紫根を300mlの水で15分煮て、冷ました後化粧水として肌に塗布する。
2gの紫根を袋に入れて風呂に浸しておく。
化粧水と入浴剤の二つの使い方が紹介されたという。

マサキ薬局では、紫根は薬局製剤の紫雲膏の製剤に使うことがメインで、処方に使うことはない。

おそらく、漢方薬局でも紫根在庫は少量の所がほとんどと推される。
昨日は番組を見た多くの女性が紫根を使ってみようと近くの薬局を訪れたはず。
昨日1日で、販売できる紫根は全国の薬局の店頭から消えたかも。
そして今日はクスリの問屋さんの在庫がゼロになっているかも。

流通量の何十倍、何百倍の需要が急に起こったら対応できるわけがない。
最近では、インフル対策のマスクの異常な需要があったのは記憶に新しい。

こういうブームはほとんど長続きせず、品物がなくなった後、時間を置いて入荷した頃には、消費者の関心は冷めてしまい、店頭に在庫があまるのがいつものこと。

紫根はとても有用な漢方薬で、TVで紹介されたような効果は珍しいことではない。
しかし、自分が紹介例と同じような条件・身体の状況になければ、無条件に同じ効果が約束されているわけではない、というのが漢方薬の性質。

TVでの使い方は、紫根を水で煎じて外用に使っているが、自家用では、紫根を椿油に浸けて使っている。
煎じて化粧水にしても効果があるが、椿油浸けの化粧油の方がより効果的だから。

椿油の効能も素晴らしいのだが、それを別にして、紫根の性質に理由がある。
紫根の有効成分シコニンは、有機溶剤や油に溶けるが水には溶けない。
可溶化には酸性にする必要があり、昔のムラサキの染物では梅の酸を使い、椿の灰を加えていた。
椿油に浸けると、水には溶けない有効成分が溶け出してきて紫根の効果は高まるというわけ。

紫根(シコン)
起源 ムラサキ科 ムラサキ 多年草
    日本中北部、東アジアに広く自生し栽培される
    根を紫根、紫草根と呼ぶ
    解熱、解毒薬として煎用する

成分 紫色成分はオキシナフトキノンのシコニン

    肉芽の発生を促進するので、火傷、切傷、湿疹、凍傷、水泡などの皮膚疾患や痔疾に軟膏として外用される。
民間では外傷や毒虫による虫さされに、紫根末をオリーブ油、ごま油、椿油に混和して用いている。

古来から染料として賞用され、高雅な紫色が貴ばれ、京紫、江戸紫、南部紫、鹿角紫などの名声があった。
現在紫根染で有名なのは
京都の染司よしおか(吉岡工房・吉岡幸雄氏)で、貴重な植物染の伝統を継承しておられる。

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コメント

初めまして。
紫紺化粧水の作り方を調べていてたどり着きました。
椿油の方が効果があるとの事。
よろしければ作り方を教えて頂けますでしょうか。
よろしくお願い致します。

投稿: 山崎みや | 2011年2月28日 (月) 23時55分

山崎みやさん
コメントありがとうございます。
紫根椿に関しては何人もの方からメールで同様なお問い合わせをいただきました。
個々にメールで返事をしてきましたが、今回新しくエントリーをたてますのでそちらをご覧いただくことで返事に変えさせていただきたく思います。

投稿: kiyohiko | 2011年3月 1日 (火) 11時16分

こんにちわ。 知り合いから紫根の事を聞き漢方の「紫根」を譲っていただき水で煮出す化粧水を教えて頂いて作り使っていましたが、ネットで色々見てるうちに「脂溶性」だと知り調べていくうちにこちらにたどり着きました。

椿油で抽出してみました。水で煮出す物とは全く違って綺麗な赤い色。だけど顔に塗るとそのままピンクになってます。

紫根って元々染料とのこと、この赤いのが皮膚に沈着しないのでしょうか。私はシミが気になって使い始めたのでそこに塗って益々シミに色が付きやしないかと気になってしまいます。

投稿: まきこ | 2011年7月21日 (木) 14時45分

まきこさん
コメントありがとうございます。
紫根椿を皮膚に塗布して色素が沈着して赤くシミにになることがないかご心配ということですね。
紫根の効能は、皮膚の血流をよくすることで皮膚に栄養が行き渡り、傷んだ皮膚の細胞が健康になり皮膚のトラブルが解決するということだと言えます。
紫根の赤い色素は皮膚の成分と結合して皮膚にとどまるような事はありませんので赤くシミになるようなことはありません。
紫根配合の化粧水などの化粧品は世に数多く市販されておりますが赤くシミになったという副作用は聞いた事がありません。
ただし、椿油には、実は混ぜもの(さざんか油や石油系の油)をしたものが少なくないと言われています。
椿油100%のもの(食用にしてもOK)をお使いになることが副作用を起こさないためにも重要です。
日中医薬研究会で推奨しているのは長崎の中山園芸社の椿油です。

投稿: kiyohiko | 2011年7月22日 (金) 20時04分

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