奇妙な献立偏る栄養 教育ルネサンス
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読売新聞朝刊の教育ルネサンスで、当世給食事情というシリーズが始まっている。
リンク: (1)奇妙な献立偏る栄養 : 教育ルネサンス : 教育 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).
▽カレーうどんとアメリカンドッグ、小倉白玉、牛乳▽みそラーメンとあんドーナツ、果物、牛乳▽キムチ焼きそばとクロワッサン、イカナゲット、イヨカン、牛乳……。
栄養バランスの乱れたこんなメニューが、学校給食で出されている。
昨年末に出版された『変な給食』で、実態が明らかにされた。著者は、『粗食のすすめ』でも知られる管理栄養士の幕内秀夫さん(57)。長女が通う小学校の給食に疑問を抱き、10年以上前から学校給食の献立表などを保護者や学校栄養士らから集めてきた。
これらの情報をもとに、41自治体の公立小学校で2004~09年に出された給食73点を再現、写真入りで掲載したところ、本は話題を呼び、初版から半年弱で7刷、計4万5000部に。保護者や学校栄養士らを中心に、反響も多数寄せられているという。
幕内さんは、変な献立を、〈1〉ドーナツとラーメンのような「超ミスマッチ献立」〈2〉お菓子給食〈3〉焼き鳥と焼きそばといった居酒屋風〈4〉量や品数が少ない「貧乏給食」――などに分類する。その上で、献立全体に共通する問題点として、砂糖と油を大量に使用する傾向があると指摘する。
「これらの給食は、脂質やエネルギーが過剰な一方、食物繊維やビタミンが不足するなど栄養が偏っていることが多く、子どもの健康を害しかねない」と、警鐘を鳴らす。
給食1回分で栄養摂取基準を満たすのは難しいため、献立は10回や1か月単位で考えることが多い。同書で給食が紹介された東京都内のある自治体も、「ある1回分だけを見ると栄養が偏るのもやむを得ない」と釈明する。
これに対して、幕内さんは「子どもが好きなメニューの方が、食べ残しも少なく無難と考えているのでは。だが、今の子どもたちは偏食傾向にあり、好きなもの中心だと偏った献立になる。『食べたい』ではなく、『食べさせたい』給食を出すべき」と指摘する。
学校給食に詳しい長崎大学の中村修准教授(52)(環境経済学、食育)は、「そもそも学校栄養士は、大半が献立作成について特に訓練を受けておらず、栄養バランスが良く食べ残しの少ない献立作りに苦労している場合が多い」と、変な給食が出現する背景を分析。「このままでは、糖尿病など生活習慣病につながる危険がある」と警告する。
◇栄養源として、あるいは食の教材として、学校給食の果たす役割が広がっている。各地の取り組みを紹介する。(奥田祥子)
学校給食 1954年施行の学校給食法によると、栄養士などが栄養管理を行い、献立を作って提供。公立小中学校では自治体の努力義務だが、小学校ではほとんどが実施している。
(2010年5月12日 読売新聞)
石塚左玄が「通俗食物養生法」という本の中で「今日、学童を持つ人は、体育も智育も才育もすべて食育にあると認識すべき。」と書いたのは、112年前の明治31年(1898年)のこと。
この言葉は、平成の今もそっくりそのまま当てはまる。
学校給食は子供の健やかな身体と心づくりに大いなる影響力をもつ大切な要素。
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