アキレス腱のけが ジョギングブームで中高年ランナーに増加中。
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リンク: 健康ナビ:アキレス腱のけが ジョギングブームで中高年ランナーに増加中。 - 毎日jp(毎日新聞).
◇無理は禁物、靴選んで 年齢、走り方の癖が影響 入念にストレッチを
東京都内の男性会社員(44)は、週2~3回のペースで、自宅近くの公園を走っていた。目標はフルマラソン完走だが、最近、右足のアキレス腱(けん)に痛みを感じた。我慢していたら痛みが悪化し、ついに左足も痛み始め、走るペースを落とした。男性は「学生のころから体には自信があったのに」と肩を落とす。
健康ブームも手伝って、ジョギングをする中高年が増えている。フルマラソン参加を目指すランナーもいる。だが最近、この男性のように、アキレス腱に痛みを訴えるランナーが少なくない。
◇ ◇
そもそもアキレス腱は、ふくらはぎの筋肉を、かかとの骨(踵骨(しょうこつ))につなげるための組織。地面をけったり、かかとを引き上げたりするなど重要な役割がある。ふくらはぎの太い筋肉の力をかかとの骨に伝えるため、一番太い場所で人さし指ほどあり、人体の腱の中で最も強いと言われる。
中高年ランナーが起こしやすいアキレス腱のけがは何か。早稲田大の鳥居俊(すぐる)准教授(スポーツ整形外科)は「アキレス腱周囲炎とアキレス腱付着部炎が多い」と指摘する。
アキレス腱周囲炎はアキレス腱と、その周囲を包む組織との間に摩擦が生じて起こる炎症だ。また、アキレス腱付着部炎は、アキレス腱とかかとの骨との間で起こる摩擦で生じる炎症で、かかとの骨が元々外側に向けて出っ張っている人の場合なりやすい。
これらのけがを引き起こしやすくする原因に、足の動きがある。一般的にジョギング時に人間の足は、まずかかとの外側から着地し、次に足の裏全体で地面を踏んで、最後につま先でけるが、人によって癖がある。鳥居准教授は「こうした一連の動きの中で無駄な動きが増えると、摩擦も大きくなり、けがを起こしやすくする」と指摘する。
また、アキレス腱そのものが損傷する「アキレス腱炎」もある。アキレス腱は、ロープのように、たくさんの細い腱が束になってできている。大きな力が繰り返しかかると、弱っている部分が切れて炎症を引き起こす。競技をしている若い人に多くみられるが、腱が劣化している中高年にも起きやすく、注意が必要だ。
アキレス腱周囲炎とアキレス腱炎はアキレス腱の上部で、アキレス腱付着部炎は下部で起きやすいため、痛みの場所によってある程度、けがの種類が何か判別できる。
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これらのけがの予防法はあるのか。鳥居准教授は「自分の走りの特徴にあったシューズ選びが重要」と指摘する。アキレス腱周囲炎は、土踏まずを持ち上げる中敷きを靴底に入れることで、本人の癖など足の無駄な動きが大きくなるのを防ぎ、炎症を起こしにくくする。また、かかとを持ち上げる中敷きを入れると、アキレス腱付着部炎になりにくいという。鳥居准教授は「ストレッチをしっかりして、ふくらはぎの筋肉をほぐしておくことも大切」と話す。
また、日本靴医学会理事長の井口傑(いのくちすぐる)・元慶応大教授(整形外科)は、ジョギングでは年齢に応じた無理のないペースを守ることを勧める。
井口元教授によれば、人間の平均寿命は明治初期まで40歳くらい。栄養状態の改善などで急激に寿命が延びたが、それに合わせて人間の足が急に進化したということはない。腱は筋肉に比べて血行が少なく、損傷しても補修が利きにくい。つまり、40~50歳を過ぎると、腱は言わば賞味期限が切れたような状態にあるため、無理をすればアキレス腱炎になりやすいという。
井口元教授は「中高年になったら、(腱を)節約しながら大切に使うという認識が重要。もし痛みが走ったら決して無理をせず、休むことが大切だ」と指摘する。痛みが取れた後の再開は「まず半分程度のペースに落とし、3週間で1割ずつペースを増やす。再び痛みが出たところから1割ほど減らした辺りが、その人の最適なポイント」と助言する。【河内敏康】 毎日新聞 2010年4月16日 東京朝刊
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