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2010年3月18日 (木)

プロの減塩食試食会(5)

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。漢方・健康情報を主体に書いて行きます。
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コネタマ減塩セミナー 「塩を減らそうプロジェクト」メディアセミナー プロの絶品!減塩花見弁当試食会の報告の最後に感想を含め塩をもう一度考えててみたい。

その前に、前回漏らした報告を。
塩分濃度がちがう3種のだし汁を飲み比べ、10%の変化は、ほとんど感知できないということを実体験した。

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弁当の向こうに見える白・赤・青の3個のコップには、0.8%、0.76%、0.72%の塩分のだし汁が入っていた。
これを飲み比べて、塩味の濃淡を判定するテストが用意されていたのだが、その差はほとんど判別できなかった。
出汁がおいしいと、少ない塩分で足りるということを実感した。
そして少しずつ減塩していけばいつの間にか薄味に慣れていけるようだ。

このプロジェクトの趣旨は、食事からの塩分摂取を現在の一般の水準から半減させて、1日6gになるように啓蒙し、高血圧とそこから派生する種々の疾病を防止しようということ。

本ブログでも何回か塩について取り上げている。

塩は東洋医学の原理原則を説く五行論では、水性で鹹味の代表。
鹹味の働きは、腎を補う。
過去記事の、鹹味(かんみ)の食能(09/02/13) 

正しい食養生の基本は五味調和にあり、適量の鹹味は欠かせない。
過去記事の 五味調和 

塩分の害に関しては、塩分 がんなど万病のもと? 厚労省調査 

減塩の害のエントリーもあり、減塩食はかえって心臓に悪い 

筆者も減塩食を1月近く体験した経験がある。
消化管出血の検査入院で、塩分7㌘、1800㌍の設定の食事を続けた結果、高めの血圧が正常値に下がった。

小腸内視鏡(8)消化管出血

kiyohikoのいつもの家庭での食事とはずい分違っています。
カロリーと塩分が大違いです。
カロリーは日常の半分、塩分も半減近いと思います。
栄養素に関しては、脂質が激減です。
カロリーの高い油類は使う量が少なくなり、揚げ物や炒めものも少なくなるのでしょう。

こんなに違うと、口になじまず美味しくないはずなのですが、塩辛さも薄く感じず、意外においしいのです。

考えてみました。

入院中はベッドで寝ているだけで汗をかく運動をしません。
食事の量が少なく、間食もしないし、水分を欲しません。
従って水分の摂取量が日常よりずっと少なくなっています。
余分な水が体にたまりません。
水滞の状況が生まれないのです。
汗や尿で水分を排泄するのには塩分が必要です。
余分な水が体に少ない状態なら塩分摂取量は少なくて問題ないということなのでしょう。

うす味といえば、京料理の特徴のひとつです。
なぜでしょうか。
京都はお公家さんの社会でした。
京料理はお公家さんの料理から派生してます。
お公家さんは肉体労働をしませんから、上の理屈から云って塩分摂取が少なくてよいわけです。
そのため京料理は薄味になったと説明することができます。

入院して体を休め、病院給食の食事をしていると、体に変化が起こってきました。
まず血圧です。
平常は、上の血圧が150前後、下の血圧が90前後でなのですが、入院すると日毎に数値が下がっていきました。
最終的には、上が110代、下が70代になりました。

その他肝機能、高脂血症関連の検査項目なども軒並み良くなってくるのです。
臨床検査技師の方が、「入院して短時間に数値が良くなりますね」感想を話してくれました。
日頃体調管理の漢方薬を常用しています。
また不摂生をしたときは、すぐに毒消しの漢方薬を服みます。
これが効いていて、節制するとすぐ改善するのだと解釈しています。

もう一つの変化は、お腹の調子、便の状態がとてもよくなったことです。
排便が快調で、固さ、大きさ、色的に健康な便になったのです。
この要因はひとえに、脂質の摂取が少ないことにあると考えています。
脂質・油ものの摂取量が多いと、便はやわらかくなり、更に多くて腸の水滞が加わるとヘドロ状の便になります。
不摂生をして飲みすぎ食べすぎでそういう状態がよくあったのですが、入院以後現在はなくなりました。
これは退院後も入院で学習したことを継続実践しているおかげでしょう。

木村玄次郎先生の講演では、野菜・果物・低脂肪乳製品を多く含むDASH食の摂取が奨励されていた。
K、Ca、Mg などのミネラルが豊富なことが血圧が下がる要因の一つとされている。

ならば食塩は、イオン交換でNaCl以外のミネラルを除去した精製塩を排し、にがり成分を残した本物の塩・天然塩の摂取が望ましいということになる。

塩にこだわる料理人は多いと聞いている。
本物の塩を使うと使わないとで、料理の出来が全然変わってくるからだと聞く。
体によい物をおいしいと感じるのが本来の味覚だから。
思っていて田村隆先生に伺いそびれてしまったが。

漢方でいう塩とはミネラル成分が除去されていない本来の自然塩のことで、
減塩食はかえって心臓に悪い に書いている。

では漢方では塩をどう考えているかです。

わが漢方の師の渡辺武薬学博士は、化学塩ではない天然の塩を使用して、漢方式食養生を行う上では、減塩は間違いであると述べています。

「鹹味(かんみ=塩から味)の食べ物は塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどミネラルの多い食べ物です。それらは人体の腎臓・膀胱の泌尿器の働きを補い、骨髄を健強に保ち肝胆の働きを活発にし、肺・大腸や皮毛や呼吸器の働きを助け、脾臓と肌肉に有益に作用します。」

「ただし塩分は、心臓循環系に負担をかける欠点があるので、食物の調理には、心臓のオーバーヒートを抑える、苦味を添えることが大切です。」

「塩分の不足した人は、行動がスローモーになり、筋肉の活動が低下し、頭脳の働きが鈍くなり、しまりのない人となり、ついには赤ちゃんか、恍惚の人のように、涎を垂らすことになります。涎は人の排泄する体液の中で塩分が最も少ないものだからです。」

「最近の食塩恐怖症の減塩は、水分代謝の逆流を招いて、皮膚炎・アレルギー・花粉症・浮腫・神経症などをまんえんさせています。」

「塩分がなくては、汗も小便も出せないので、皮膚や頭部や鼻から気体として水分代謝を強いられているのが、これらの疾患の一番大きな原因なのです。」

そして、「日本の現代生活と腎・膀胱の危機」と題する図を使って腎膀胱を守る事の大切さを繰り返し説明しておられました。

「適切な塩分摂取量という事に関しては、その人の生活条件・環境、労働量で変わって来るので一概に決める事はできない。労働量の少ないお公家さん用の京料理は薄味になっているし、労働量の多いお百姓さんの、しかも腎に負担がかかる寒い地方の食事はしょっぱくなっていることをみれば納得できるでしょう。」とわかりやすい説明でした。

現代医学で塩を研究するときには、化学塩と天然塩の両方を使って調査をしてもらいたいものです。はっきり有意差のある結果が出るはずです。

減塩が降圧に作用する食塩感受性高血圧の人は半数いると聞く。
逆に言うと半数は減塩しても降圧しないということになる。
しかし降圧剤を使う前に減塩も含めた食養生と運動療法を優先することの必要性は言を待たない。
食養生に関しては、食事内容の塩以外の要素を無視することはできない。
鹹以外の四味との調和の問題、他の栄養成分の量とバランスがかかわってくる。
さらに水分摂取量、生活・労働環境も大きく影響してくる。

推奨塩分摂取量を1日6gとしているのは、日本のサラリーマンなど一般の平均的な人を想定しているのだろうが、少し乱暴な設定ではないだろうか。

減塩食を採用するときに考慮すべきことは、減塩に併せて不要な水分摂取を控えることである。
飲み物、果物、生野菜を含めた水分摂取も減らすことである。

塩を減らそうプロジェクト

ブログネタ: 減塩なのに絶品!!プロが作る花見弁当の味を教えて!参加数拍手

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