怒りっぽくなったら厄介な病気かも
ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。漢方・健康情報を主体に書いて行きます。
漢方に関するご相談・お問合せは、こちらから どうぞ。
リンク: ゲンダイネット.
真っ先に考えられるのは脳の異常
「先生、夫が人が変わったように怒りっぽくなってしまいました。いつもイライラしていて……。今日やっと、本人を説得して病院に連れてくることができたんです」
あらゆる悩みで来院する初診患者を診ている社会保険中央総合病院内科・山田春木部長のもとには、こう言って来院される人がいる。もちろん、夫と妻が逆のこともある。
「たいてい、ご本人に強い自覚はなく、配偶者や会社の同僚などが心配して連れてこられます。別の症状で来院された患者さんで、ご家族に話を聞いていると、“最近、怒りっぽくなった”というせりふが出てくることもあります」
人が怒りっぽくなったとき、どういう病気が考えられるのか? 山田部長に聞いた。
「病気ということで真っ先に考えるのは、脳の異常です。脳には人間的な感情をつかさどる前頭葉という場所があります。脳に血の塊や腫瘍ができて、それが大きくなって前頭葉を圧迫すると、怒りっぽくなるなど、性格が変わったように見えるのです」
病名としては、頭蓋骨の内側で脳を包む硬膜と脳の間に出血がたまる「慢性硬膜下血腫」や「脳腫瘍」、認知症の一種である「特発性正常圧水頭症」などだ。
「慢性硬膜下血腫は、頭を激しく強打して起こるケースが多いのですが、強打したときは何ともなく、数カ月してから症状が出てくることがあります。病名がはっきりしてから、“そういえば、以前……”と、家族が思い出したりします」
脳の異常はCTで分かる。慢性硬膜下血腫などは、対処が遅れると、命に関わることもある。つまり「怒りっぽくなった」というときは、明らかに別の病気が考えられるケースを除き、CTを受けた方がいい。
ちなみに、「明らかに別の病気が考えられるケース」で多いのは、うつ病だ。
「怒りっぽさが出てくる病気として、うつ病は、脳の異常と並んで多い。一般的に“気力が落ちる”と考えられているうつ病ですが、攻撃的になるうつ病もあります。うつ病の場合は、問診の段階でだいたい分かります」
怒りっぽくなるのは、肝臓病の末期といわれる肝硬変とも関係していることがある。
「肝硬変で脳にアンモニアなどの毒が回って、一時的に脳の状態がおかしくなるのです。肝臓の重要な働きのひとつである解毒作用が十分に行われないためで、専門的には“肝性脳症”といいます。これになると、初めはぼんやりして意味不明な言葉を口走るようになり、次に興奮して怒りっぽくなる。そして最終的には昏睡です」
肝性脳症を起こすような肝硬変は、相当に悪い状態だから、早急に治療が必要だ。
上司の“瞬間沸騰”も、もしかして……。
漢方では、病気の原因が人体の中にあるものを内因といい、喜・怒・憂・思・悲・恐・驚の七つあるので七情と呼んでいます。
人が怒ることを逆上という言い方をしますが、これは肝や心の気・火が上昇することをさしています。
「陰血が消耗すると肝火が盛んになり、刺激を受けるとすぐに反応する。それ故陰が欠けて火の盛んな人は怒りやすい。」ということです。
五行論では肝(五臓)・青(五色)・怒(五志)は木性に配当されています。
青筋を立てて怒るのはまさに肝に問題があることを示しているといえるわけです。
| 固定リンク
コメント