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2010年1月 8日 (金)

服薬中の授乳 OK?

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。漢方・健康情報を主体に書いて行きます。

リンク: 服薬中の授乳 OK?ダメ? : 医療ニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞).

大半の薬は問題なし 医師と相談を

母乳育児と服薬についての考え方が変わりつつある。これまでは、乳児への影響を心配し、服薬中に母乳育児を中止する傾向が強かったが、実際には問題がない薬が大半で、授乳は続けられる。

 ただ、一部には授乳の中止が必要な薬もあり、母乳育児に詳しい医師らと相談することが大切だ。

 「薬が母乳に出て、子どもに影響しないか心配」「子どもへの薬の影響が怖く、薬を飲むのを我慢した」――。

 東京都立川市にある多摩薬局、錦町薬局と立川相互病院薬剤部は、一昨年春から夏にかけ、乳児健診会場や薬局を訪れた母親らを対象に、授乳と服薬についてのアンケート調査を行い、約300人から回答を得た。約7割の母親が授乳時の服薬に不安を訴え、医師などから授乳中止を指示された人も約2割いた。

 いったん授乳を中断すると、その後母乳が出にくくなるケースもあり、母乳育児を続けたい母親には深刻な問題だ。多摩薬局薬剤師の宮崎亜紀さんは「医師の授乳中止を指示する言い方がそっけなく、戸惑ったという母親もいた。実際は、多くの薬は母乳を与えながらの服用が可能」と話す。

 両薬局と同病院薬剤部は、研究報告や医薬品メーカーの情報をもとに、薬と授乳のリスクについて、医師向けの資料を作成。患者向けにも、授乳しても問題がない薬や成分などを解説した文書を作った。

 国立成育医療センター(東京都世田谷区)母性内科医長の村島温子さんも、「母親が服用した薬の大半は母乳に移行するといわれるが、ごく少量にすぎない」と話す。「子どもが母乳を飲み、薬の成分が腸で吸収されて有害となる例は非常に限られる。医療関係者にも、もっと理解してほしい」と指摘する。

 薬の添付文書には薬の成分が母乳中に出る場合は、「授乳を避ける」などと記載されているものが多いが、最近の研究報告などから、問題がない薬が多いことが明らかになってきたという。その一方で、母乳育児は、栄養面や病気予防の利点があり、親子の絆を深めるなどの理解が広がっている。

 国立成育医療センター内には「妊娠と薬情報センター」(03・5494・7845)があり、村島さんがセンター長を務める。ホームページ(http://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html)では、「授乳中に使用しても問題ないとされる薬剤の代表例」177種と、抗がん剤など「授乳中に使用してはいけない薬剤の代表例」24種を紹介。授乳と服薬についての相談にも応じる。

 薬の成分などは医薬品医療機器総合機構のホームページ(http://www.info.pmda.go.jp/)で調べることもできる。

 村島さんは「こちらで薬のすべてを網羅しているわけではなく、今後情報が変化することもありうる。自己判断ではなく、母乳育児に詳しい医師らと相談して、使用や中止を決めることが重要です」と話している。

 妊娠中の服薬については、時期や薬の種類などによって胎児への影響が異なる。「妊娠と薬情報センター」のほか、北海道大学病院など全国12か所の協力病院でも相談できる。

(2010年1月8日 読売新聞)

漢方薬の母乳への移行問題に関しては、

仁医「麻鳥」の漢方問答(2003.10 日中医薬研究会出版委員会)の転載です。

Q 漢方薬は母乳に移行しますか? 新米ママ

もし移行していたら、赤ん坊には強すぎないでしょうか?
私はもともとひどい瘀血(おけつ)があります。
この春初めての出産を経験しました。
妊娠中は軽めの桂皮茯苓丸加大黄を服用していました。
その効果もあり5月末にかわいい男の子を出産できました。
今は妊娠前に服用していた桃核承気丸を服用しています。
しかし、少し疑問に思うのですが、母乳にこの薬がでて赤ん坊に移行するのではないでしょうか?
決して悪い薬ではないと思うのですが。

 お答   仁医『麻鳥』

乳まで移行することはありません。
漢方薬は胎児の場合は血液中に成分の一部が吸収されるので、胎児に影響がありますが、母親が瘀血(おけつ)体質の方は駆瘀血薬(くおけつやく)を飲めば、むしろ母乳中の食毒を軽減することになり、乳幼児には母原病の影響を避けられるようになります。
それより、桃核承気丸を飲まなくても快便があるように、食養生に努めてください。

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コメント

10ヶ月の子へ授乳中の者です。
麦粒腫のため先日眼科を受診し、目薬2種を処方されました。が、これでも改善が見られない場合は手術と言われてしまいました。
手術はなるべく避けたく、出来ることはないかと調べてみたら、排膿散という漢方薬が効くかもという情報を得ました。
これは授乳中でも飲んで差し支えないのでしょうか?
突然で申し訳ありませんがご教授願います。

投稿: こっこ | 2012年1月12日 (木) 22時11分

こっこさん
麦粒腫いわゆる ものもらいは鬱陶しくていやですよね。
お尋ねの排膿散は、おできに使う有名処方です。
配合生薬はキジツ(ミカン科のダイダイの実)、シャクヤク、キキョウで、鶏卵と混和して白湯に和して服用します。
授乳への影響は心配は通常はありません。
排膿湯という似た処方もあります。
こちらは甘草、桔梗、生姜、大棗(なつめ)で基本的に心配のない成分です。
二つを合わせた、排膿散及湯という処方もあります。
クスリ全般に言えることですが、リスクがゼロということはありません。
ごくまれには安全なものに過敏症の方もいます。
医薬品には使用上の注意というのが必ずあって、能書・説明書に記載されています。
クスリをお求めになるときは、薬剤師に良くお聞きになるとよいと思います。
病状の情報がないので排膿散が効くかどうかわかりませんが、葛根湯に応鐘散を合わせた処方が奏効することも多いです。

投稿: kiyohiko | 2012年1月13日 (金) 12時07分

こんばんは!
急にすみません
9ヶ月の赤ちゃんの授乳中なんですが便秘で悩んでいて妹が持っていた便秘漢方薬を三回3日程飲んでしまいました。その間授乳は普通にしてしまいました。授乳中で心配になりクラシエのサイトで漢方薬を調べてみたら授乳は避けて下さいとの記載があり、とても
心配になってたのですか、こちらのブログを拝見しました。クラシエのボウフウツウショウサン 漢方薬なんですが何か悪影響なものは入っていますか?
浅はかな事をしてしまったと後悔しています

投稿: 佐々木 | 2012年4月 2日 (月) 22時04分

佐々木さん
防風通聖散の能書には確かに「授乳中の人は本剤を服用しないか、本剤を服用する場合は授乳を避けること」と記載されています。
その理由は、大黄という漢方薬が配合されているからです。
大黄は大腸を動かしお通じを付ける働きがあります。防風通聖散が便秘に効くわけのひとつです。
薬の母乳への移行に関しては、母親が服用した量の200分の1という微量が母乳に移行したというデータがあるので、微量ではあるが大黄の成分が母乳から乳児に入る可能性が考えられることになります。その場合起こる影響として赤ちゃんの便がゆるくなるかもしれないということです。そのため上の注意書きがあるわけです。
上記の注意は「赤ちゃんの便がゆるくなるかもしれないからお母さんは服用しないでください」ということと考えてよいと思います。
現実にいかがだったでしょうか。
赤ちゃんが下痢になったり軟便になったりしたでしょうか。
恐らく何の影響もないはずと推測していますが、万が一そうであってもお母さんが服用を止めれば薬の成分は体からすぐに出ていくので影響もすぐ無くなり心配ないと考えます。
万病のもとは風邪と言われますが便秘も健康の敵です。
佐々木さんもできるだけ薬や浣腸に頼らないで食養生や運動で解消してください。
マサキ薬局でお渡ししているお通じについてのーフレットを次のブログ更新で紹介したいと思っています。よろしかったらご覧なってください。

投稿: kiyohiko | 2012年4月 3日 (火) 12時55分

お返事ありがとうございます
安心することが出来ました_(._.)_

子供は特に変わった事はありませんっしたので大丈夫だったのかなと思いました
ブログ拝見させて頂きます(^^)

投稿: 佐々木 | 2012年4月 3日 (火) 20時06分

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