« 冬は野菜で のど元気 | トップページ | 七草粥(ななくさがゆ) 再掲 »

2010年1月 5日 (火)

常識破られた 心臓の交感神経、心不全で役割変化

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。漢方・健康情報を主体に書いて行きます。

人体は不思議です。

リンク: 心臓の交感神経、心不全で役割変化 : 医療ニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞).

 心臓の鼓動を活発にする交感神経は、心不全になると逆に鼓動を抑える副交感神経に変わり、心臓への負荷を軽くしていることを、慶応大学の福田恵一教授らが突き止めた。従来の医学の常識を覆す成果で、米臨床医学誌に5日発表する。

 心臓の交感神経は心拍数を高めるノルエピネフリンを分泌し、副交感神経は心拍数を下げるアセチルコリンを分泌する。交感神経は首にある星状神経節と、副交感神経は脳幹から伸びる迷走神経とつながっており、生理学的にも解剖学的にも全く別物と考えられていた。福田教授らは、ラットを心不全の状態にすると、交感神経の細胞がアセチルコリンを作りだすことを発見。心不全で亡くなった人の心臓でも同じ変化が起きていることを確かめた。遺伝子操作でこうした変化が起こらないようにしたマウスは、心不全状態にすると、50日後の生存率は正常マウスの半分の40%になった。

(2010年1月5日 読売新聞)

漢方生薬は、天然物共通の性格で、薬理作用のある成分が単一であることは皆無で、数多くの成分が確認されており、未確認の成分もまだまだあります。
拮抗する作用の成分が含有されているケースも珍しくありません。

有名なのは朝鮮人参です。
有効成分のサポニンのginsenoside Rb群には中枢抑制(鎮静)作用がある一方で、Rg群には逆の中枢興奮作用があることが判っています。
ブレーキとアクセルの両方の働きを持つようなわけです。
実際に朝鮮人参を服むと、鎮静・興奮のどちらの効果が現れるのでしょうか。
答えは、両方なのです。
興奮状態のときに鎮めたくて服むと、鎮静作用が働いて落ち着き眠れるようになります。
逆に徹夜してでも頑張りたいような時に服むと、興奮作用が働いて目が冴えます。
つまり、人体側が必要とする方を選択するということです。
ひどい騒音の中でも、耳を澄ませて集中すると、聞きたい音だけ聞こえてくるのと同じような感じです。
このことは天然物のクスリと化学薬品のクスリとの違いの一つであります。

人体の持つ柔軟な適応力に感心します。

|

« 冬は野菜で のど元気 | トップページ | 七草粥(ななくさがゆ) 再掲 »

生理・病理・薬理」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 冬は野菜で のど元気 | トップページ | 七草粥(ななくさがゆ) 再掲 »