« 新型インフル、子どものこんな症状注意 | トップページ | 今年の鬼柚子 »

2009年12月30日 (水)

屠蘇のはなし

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。漢方・健康情報を主体に書いて行きます。
漢方に関するご相談・お問合せは、こちらから どうぞ。

 一家そろって屠蘇を酌み交わし、健康と幸せを願う……日本のどこの家庭にも見られる元旦の光景です。
「おとそ気分で」などとも使われる、この屠蘇とは一体何なのでしょうか。いつからどういう意味で行われて来たのでしょうか。

P1000390

 屠蘇は古代中国の風習で、疫病退散の一つの方法であったわけですが、処方生薬からみると、単なるまじないや習わしだけでなく立派な薬効をもった薬酒であるといえます。

現在用いられている屠蘇散の一般的な処方は、山椒 0.5~1g 桂皮・白朮・桔梗・防風 各0.3~0.6g 丁字・小茴香 0.05~0.1g 陳皮 0.3~0.6gで、ずっと以前は、烏頭、大黄といった作用の強い薬が配合されていましたが、時を経るにしたがって強い薬は除かれてきて、今では誰が飲んでも害にならない処方になっています。

 古来屠蘇について多くの記述が残されていますが、名称やそのいわれ等について、いろいろの説があります。
記録に現れたのは晋の時代の小品方が最初で、魏の名医華陀がこの処方を始めたとされています。
 屠蘇の意味には、屠蘇庵という草庵の名であるという説、蘇と呼ばれる悪鬼を屠むるという意味であるとする説、この生薬の配合が流行の病を食い止め、屠むったものが蘇ったという説など諸説があります。
いずれにしても、屠蘇には、その年の健康を願う意味が込められているようです
 わが国では嵯峨天皇の弘仁二年(811年)初めて宮中に用いられたのが民間に広まったといわれます。

その用い方は、医心方によると
「屠蘇酒、悪気温疫を治する方、之を細切して緋袋に盛り、十二月晦日に井戸の中に沈め、元旦の夜明けに出し、三升(現在では三合)の温酒中に置き、屠蘇の東、戸に向かって之を飲む。各三合(現在では三勺)先ず小児より起り、一人之を飲めば一家病なく、一家之を飲めば一里疫なし……」
と絶大な効用をうたっています。

要するに、屠蘇を赤い三角の袋に入れ、予め水中に浸しておき、後にこれをとり上げて温酒に入れ、年少の者より順次年長者にまわし飲むのが正規のならわしのようです。
 
年少者を先にする理由については

(1)年少者は歳を得るのだから之を賀して先にし、 年長者は歳を失うのだから罰して之を後にするという説。
(2)年長者は後でゆっくり 召し上がれという、いわば優遇の意味だという説
(3)親の薬は子先ず嘗むと 云う所からきたもので、年少者は年長者の為に毒味をするのだという説。

があります。

江戸時代には屠蘇酒は庶民間に広く普及し、年の瀬にかかりつけの医者に治療代を払いにいき、その際に医者からのお歳暮として屠蘇袋を貰うのが慣わしだったようです。

一年を病気知らずで過ごすためには、正月に豪勢な効果の屠蘇をしっかり飲んでおかねばならないという事になるようです。

|

« 新型インフル、子どものこんな症状注意 | トップページ | 今年の鬼柚子 »

医食同源」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 新型インフル、子どものこんな症状注意 | トップページ | 今年の鬼柚子 »