知っていますか? レビー小体型認知症
ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。漢方・健康情報を主体に書いて行きます。
漢方に関するご相談・お問合せは、こちらから どうぞ。
知っていますか? レビー小体型認知症 よくわかる、病気のこと&介護のこと(小阪憲司著) : アラカルトニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)
アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症と並ぶ三大認知症のひとつに数えられ、50万人の患者がいるとされるが、一般にはあまり知られていないレビー小体型認知症。
他人には見えないものが見えたり、睡眠中に大声を上げたりするなどの症状があるという。
1976年にこの認知症を発見した著者が、イラストや図表をふんだんに使い病気の特徴をわかりやすく解説。診断のチェックリストや介護の注意点を示したQ&A、診断・治療ができる全国の医師一覧も盛り込んだ内容は実用的だ。
(メディカ出版、1000円=税抜き)
(2009年11月1日 読売新聞)
2年前の読売新聞の記事に、漢方での対応が紹介されている。
(古いのでリンクできない)
幻視 漢方薬で解消
神奈川県内に住む70歳代のA子さんは、半年ほど前から、部屋の片隅に「赤い服を着た少女が座っている」と度々訴えるようになった。少女に話し掛けたり、お菓子をあげたりしていたが、家族には見えない。少女はA子さんの幻視で、やがて毎日見えるようになり、家族との会話もままならなくなった。記憶障害と共に、幻視などが起こる「レビー小体型認知症」と診断され、漢方薬の抑肝散(よくかんさん)を飲み始めた。すると1か月ほどで少女は消え、家族は「以前のような落ち着きが戻り、いろいろな話ができるようになりました」と喜んでいる。(佐藤光展)
認知症原因の2割
患者数170万人にのぼる認知症では、物忘れがひどくなる中核的な症状と共に、妄想や幻覚などの副次的な症状が問題になる。特に家族らにとっては、後者の症状が介護の際の大きな負担となる。
脳にベータアミロイドと呼ばれるたんぱく質が沈着する「アルツハイマー型認知症」では、物忘れがひどくなる症状がまず表れ、記憶障害の進行に伴い、物を盗まれたという妄想や、イライラ、不眠などの症状が深刻になっていく。
一方、認知症の2割を占めるレビー小体型認知症では、物忘れよりも幻視や妄想などが先行することが多い。ほうゆう病院(横浜市旭区)院長の小阪憲司さんが、約30年前に発見した病気で、一種のたんぱく質から成るレビー小体が大脳皮質にたくさん現れ、神経細胞が壊れていく。高齢の発症が多いが、40歳代で発症することもある。
このような幻視や妄想などを抑える働きが注目されているのが、漢方薬の抑肝散。子供の夜泣きや疳(かん)の虫などを抑えるために使われてきた薬だ。特に、レビー小体型で顕著な効果が報告されている。
レビー小体型の治療では、アルツハイマー型でも使われる薬「塩酸ドネペジル」(アリセプト)を服用し、記憶障害の進行を抑える。それで幻視などが消えることもあるが、消えない場合、レビー小体型では、手足の震えなどを招く恐れがある抗精神病薬は使えず、幻視などの抑制は困難だった。
レビー小体型の幻視は、人が部屋の隅にいるという形で見えることが多い。放置すると、記憶障害と幻視が結びついて、「(幻視の人物に)財布を盗まれた」と騒ぐなど、症状はより深刻化していく。はっきりと見えている幻視が理解されないつらさから、患者がうつ的な傾向を強めてしまうこともある。
早い段階から服用
小阪さんは「抑肝散を早い段階から服用することで、患者の精神的な悩みや介護者の負担を減らすことができる」と話す。東北大学の調査では、抑肝散を4週間服用したレビー小体型の患者15人のうち、12人の幻視が消失した。
進行したアルツハイマー型で起こる妄想や徘徊(はいかい)、暴力などの抑制にも、抑肝散が注目されている。
大きな副作用はないものの、服用中に血中のカリウムが減少することがあり、患者によっては頭がボーッとしたり、血圧が上昇したりする。定期的に血液検査を受けるなどの注意が必要だ。
患者が漢方薬特有のにおいを嫌がる時は、とろみのある食べ物に混ぜたりすると服用しやすくなる。医師の処方で健康保険が適用される。
(2007年8月10日 読売新聞)
| 固定リンク
コメント