« 新型インフルエンザ:ワクチンを知る/上  | トップページ | ワクチン接種 薬剤師も最優先に »

2009年11月 3日 (火)

新型インフルエンザ:ワクチンを知る/下

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。漢方・健康情報を主体に書いて行きます。
漢方に関するご相談・お問合せは、こちらから どうぞ。

リンク: 新型インフルエンザ:ワクチンを知る/下 「国産」「輸入」成分に違い - 毎日jp(毎日新聞).

専門家に聞く

 数千万人にも及ぶ国民への接種が予定されている新型インフルエンザワクチン。なぜ有効で、副作用はどの程度出るのか。国産と輸入はどこが違うのか。従来の季節性と新型のワクチンを同じ日に接種する「同時接種」の是非などについて、専門家に聞いた。【関東晋慈】

「皮下」か「筋肉」か摂取方法も

「季節性」との同時接種は原則可能

■なぜ有効?

岡部信彦・国立感染症研究所感染症情報センター長によると、ワクチンにはウイルスの感染力(活性)をなくしたものを主成分とする「不活化ワクチン」や、毒性を弱めた病原体そのものを使う「生ワクチン」がある。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンだ。

 不活化ワクチンは接種しても病気を発症する恐れがないうえ、生ワクチンに比べて副作用が出る可能性が低いため、免疫力が低下した人や、妊婦にも接種できるのが利点だ。注射接種によって抗体が血中にできて、感染後のウイルスを攻撃する仕組み。感染自体を防ぐことはできないが、重症化を防ぐ狙いがある。

 07年の米疾病対策センター(CDC)などのデータによると、ワクチンは健康な人の7~9割の発症を防ぐほか、高齢者の入院を3~7割減らし、発熱する小児(1~6歳)の割合を2~3割下げる効果があるという。

 主なワクチンは鶏卵でウイルスを培養するのに対し、輸入ワクチンの中にはイヌの腎臓細胞で培養するものもある。

■副作用は?

 副作用はどの程度心配なのか。厚生労働省によると、インフルエンザの主な副作用は接種個所の腫れや痛みで、2~3日間で消える。医薬品の副作用を調べる同省の検討会で「ワクチンの可能性がある」と認定される死亡例は約2500万人に1人程度だ。

 昨年度は季節性ワクチンを4000万~5000万人が接種し、121人が副作用として報告された。そのうち10人は神経障害のギラン・バレー症候群となり、そのうち3人が「因果関係を否定できない」と認定された。また2人が死亡し、そのうち10歳未満の女児は接種の5日後から意識障害を起こしてその2日後に脳症で死亡。ワクチン接種との因果関係は2人とも「情報不足のため評価できない」と認定された。

 押谷仁・東北大教授(ウイルス学)は「ワクチンには発症予防効果があり、関連が分からない副作用のために国民全体が接種できなくなる事態は避けなければならない。国はどういう時点で、どういう副作用が出たら接種を中止するか、基準を作っていく必要がある」と提言する。

■「国産」と「輸入」

 国産の新型ワクチンを接種された医療従事者約2万人を対象にした調査で、4人に一時的な歩行困難など入院相当の異常が起きていたことが分かった。ワクチン接種との因果関係は不明だが、全員回復し、季節性と異なる副作用はなかった。

 河岡義裕・東京大医科学研究所教授(ウイルス学)によると、国産の新型ワクチンは季節性と同じ作り方で、安全性は同程度と考えられるという。

 輸入ワクチンは、9月から国内で臨床試験が始まっている。不活化した原材料に加え、アジュバント(免疫補助剤)が入っているのが特徴だ。アジュバントは人の免疫細胞をより活性化させる働きがある。このため「国産に比べて、重症化を予防する効果は高いと考えられる」(田代真人・感染研インフルエンザウイルス研究センター長)という。一方、効果が高い分、副作用の強さや出る頻度が高くなるとみられている。

 接種方法も違う。国産は腕の比較的浅い部分に針を刺す皮下注射だが、輸入ワクチンでは腕に垂直に深く針を刺す筋肉注射が一般的だ。日本では、筋肉注射が原因と考えられた神経まひが起きたことから、子どもへの筋肉注射は避けられてきた。

 新型ワクチンを優先接種者全員が2回接種しなければならない場合、現時点では高校生は輸入ワクチンを接種することになる。河岡教授は「筋肉注射を子どもにできるか、検討が必要」と話す。

 米国では、注射ではなく鼻から霧状のワクチンを吹きかける方式で接種する「経鼻ワクチン」が、一部で行われている。抗体が血中だけでなく上気道の粘膜にもできる特性があり、日本でも開発中だ。

■接種回数

 新型インフルエンザワクチンの接種は現時点で原則2回だが、海外ではどうなのか。

 国立病院機構三重病院の庵原俊昭院長によると、2回から1回に変える国が増えている。オーストラリアでの治験やメキシコでの調査から、季節性インフルエンザへの感染が新型に対する免疫の基礎になり、新型ワクチンを1回接種すれば十分な免疫がつくと考えられたためだ。

 米国、オーストラリアでは10歳以上は1回、英国でも成人は1回で、60歳以上は「データが出たときに見直す」としている。英国を除く欧州各国は新型ワクチンを法律上、強毒性鳥インフルエンザ(H5N1型)ワクチンと同じ扱いにしているため、原則2回を維持している。

■まず「季節性」を

では、接種の手間を省くため、季節性と新型のワクチンを同時接種してもいいのか。

 岡部感染症情報センター長によると、ほとんどのワクチンで同時接種は原則可能で、健康上の危険性が高まることはないという。インフルエンザワクチンの場合、季節性と国産の新型は製造法が同じで、本来なら混ぜて接種することも可能だ。

 岡部センター長は「新型は接種に優先順位があるので、既に一般に供給されている季節性と同時接種できる人はいないだろう。季節性をできるだけ早く打って、新型の順番が回ってきたら速やかに接種することが大事」と助言している。

毎日新聞 2009年10月30日 東京朝刊

|

« 新型インフルエンザ:ワクチンを知る/上  | トップページ | ワクチン接種 薬剤師も最優先に »

インフルエンザ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 新型インフルエンザ:ワクチンを知る/上  | トップページ | ワクチン接種 薬剤師も最優先に »