新型インフル、「弱毒型」でも重症化の例
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インフルの強毒・弱毒の型の違いと意味の解説がある。
asahi.com(朝日新聞社):新型インフル、「弱毒型」でも重症化の例 - サイエンス.
メキシコなどで流行している豚由来の新型インフルエンザウイルスは「弱毒型」。しかし、世界保健機関(WHO)は人類への大きな脅威として警戒している。そもそも、インフルエンザウイルスで「弱毒型」というとき、症状が軽い病気をもたらすという意味ではない。
WHOの緊急委員会委員でもある国立感染症研究所の田代真人・インフルエンザウイルス研究センター長は28日、会見で、今回の新型インフルエンザウイルスは「弱毒型」だとした。ウイルス学者は、「強毒型」と「弱毒型」を厳密に区別している。
この区別は、遺伝子配列や動物実験の結果によって行われる。遺伝子配列は、ウイルスの表面たんぱく質の性質を決める。ウイルスが人や動物の細胞に侵入するには、この表面たんぱくが、細胞にあるたんぱく質分解酵素と反応し、変化する必要がある。
弱毒型だと細胞への侵入は、呼吸器や消化管にとどまる。強毒型だと、全身の細胞がもつ分解酵素と反応するため、全身の細胞に入り、全身性の出血などを起こす。
強毒型になりうるのは、H5N1などH5やH7がつく型に限られる。代表例が鳥インフルエンザH5N1。鳥との接触で人にも感染し、WHO集計ではインドネシアやベトナムなどで421人が発病、61%にあたる257人が死亡した(4月23日現在)。
人で毎年の流行を起こしているAソ連型(H1N1)やA香港型(H3N2)は弱毒型だ。
では、弱毒型なら安心できるかというとそうではない。
1918年から世界中で2千万~4千万人の死者を出したスペイン風邪(H1N1)、57年からのアジア風邪(H2N2)も弱毒型だった。近年、強毒型の鳥インフルが人に感染しやすく変異すると懸念されているが、もとはスペイン風邪のような被害を防ぐのが大流行対策だった。
「大流行を起こすかどうかはウイルスの型と人の集団免疫の程度による」と加地正郎・久留米大名誉教授。動物由来のウイルスが、人の世界に入ってくることで、免疫のない人間で大流行が起きる。
さらに、1~2年続く大流行期間中には波がある。スペイン風邪では最初は症状が軽かったのが、次第に若い人の重症者が多くなったという。インフルエンザウイルスの遺伝子の変化や、肺炎を起こす細菌の流行などで、症状が強く出るようになったと考えられるが、詳しいことは未解明だ。
WHOのマーガレット・チャン事務局長は29日の声明で、新型インフルについて「十分に解明されていない」と述べた。どれだけ重い症状を起こすのか。今後、遺伝子がどう変わるのか。あらゆることが未解明だ。幸い、世界中の感染情報を各国が共有している。WHOなどを中心に、新型の正体を明らかにし、治療や被害軽減策につなげる必要がある。(2009年5月2日18時46分 編集委員・浅井文和)
インフルウイルスにはABCの3型(属)があり、病原性で大きな問題となるのはAとB。
過去に大流行を起こしたのはA型。
ウイルスの表面上にある2種の糖タンパクの突起の違いによって亜型に分類されれている。
この2種とは、HAと表記するヘマグルチンとNAと表記するノイラミニダーゼ。
H1N1などのH,Nはこの意味。
現在、HAは16種類、NAは9種類あることが判っており、理論上は16×9=144で、H1N1~H16N9の、144のタイプがありうるとされる。
その中で強毒型は、H5,H7の型に限られるとしている。
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