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2009年2月14日 (土)

五味調和(4)

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。健康情報を主体に書いて行きます。

二味、三味の配合。

五味間の関係は五味調和の図上で右回りに当人・子・孫・祖父母・両親の関係に対比することができます。

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また五味には夫々の配置からその間に補・生・剋・益・助の関係が存在します。

例えば脾胃を悪くすると次に腎膀胱が悪くなり、さらに肺大腸を損ないます。

これを家族関係に置き換えると、当人(脾胃)が病気になれば孫(腎膀胱)の世話ができなくなり、ついには身近な子(肺大腸)の世話もかなわなくなると云うことにります。

この原理を把握していれば未然に害の及ぶのを防ぐことができます。

脾胃が悪いときは先ず第一に甘味で補います。

次に腎膀胱に害が及ぶのを鹹味で防いでおく。

これが二味配合の原則です。

第三に被害を受ける肺大腸までを辛味で防いでおく甘鹹辛の配合が三味配合の原理です。

調理においては甘味の素材を引き立てるために、相剋を活用して塩(鹹味)を隠し味とします。

甘味店でぜんざいを注文すると塩昆布が添えて出てくるのは、甘味によって腎にかかる負担を防ぐためで、これは二味配合の原則に則っています。

さらにこの塩昆布に山椒が加わっていれば肺大腸の守りまで気を配った三味配合の原則に適った組合わせになっています。

酒の呑み過ぎが肝を傷めることは周知のことです。

酒(辛)の害を防ぐ呑み方は、先ず肴に相剋の酸味のものをとって肝を守り、更に辛から見て子の位置の腎膀胱に害が及ぶのを防ぐために鹹味のものを食すことです。

これが二味・三味配合の原則に適っており、そうすることが味覚的にも美味になるのです。

現に日本酒好きの人は、酢の物や塩辛を好みます。

またメキシコの強い酒テキ-ラは、レモンに塩をつけ噛りながら呑むのが常道です。

これらは正に三味配合の実行そのものと云えます。

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