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2009年2月16日 (月)

五味の相互関係

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。健康情報を主体に書いて行きます。

五味の薬能(酸苦甘辛鹹)とその薬能 (「平成薬証論・渡邉武」より引用)

五味の薬味は、それぞれ補助益生剋(ホ ジョ エキ セイ コク)の五つの薬能を持っている。
所属する臓腑を補う作用と、親に当たる臓腑を助ける作用と、祖父に当たる臓腑を益する作用と、子に当たる臓腑を生ずる作用と、孫にあたる臓腑にだけには剋する作用とである。

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酸味の薬能
散らばったものを収める薬能があり、収を主どり、主作用は肝・胆と目・筋の機能を補い、その目標は青色である。
心・小腸にはその機能を生む働きがあり、腎・膀胱には働きを助け、肺・大腸には有益に働くが、脾・胃だけには剋の働きがある。
酸味には脾・胃を護るため甘味を添え、心・小腸を補う苦味を配する。

苦味の薬能
軟らかいものを引き締め、湿りを乾かす薬能があり、固を主り、主作用は心・小腸の機能を補い、その目標は赤色である。
同時に脾・胃の機能を生む働きがあり、肝・胆の機能を助け、腎・膀胱には有益に働くが、肺・大腸だけには剋の働きがある。
苦味には肺・大腸を護るため辛味を添え、脾・胃を補う甘味を配する。

甘味の薬能
激しいものを緩め薄める薬能があり、緩を主り、主作用は脾・胃の機能を補い、その目標は黄色である。
肺・大腸の機能を生む働きがあり、心・小腸の機能を助け、肝・胆には有益に働くが、腎・膀胱だけには剋の働きがある。
甘味には腎・膀胱を護るため鹹味を添え、肺・大腸を補う辛味を配する。

辛味の薬能
滞りを散らす薬能があり、散を主り、主作用は肺・大腸と鼻・皮膚の機能を補い、その目標は白色である。
同時に腎・膀胱の機能を生む働きがあり、脾・胃の機能を助け、心・小腸には有益に働くが、肝・胆にだけは剋の働きがある。
辛味には肝・胆を護るため酸味を添え、腎・膀胱を補う鹹味を配する。

鹹味の薬能
乾きを抑制し軟らげる薬能があり、濡を主り、主作用は腎・膀胱・耳・骨髄の機能を補い、その目標は黒色である。
同時に肝・胆の機能を生む働きがあり、肺・大腸の機能を助け、脾・胃には有益に働くが、心・小腸だけには剋の働きがある。
鹹味には心・小腸を護るため苦味を添え、肝・胆を補う酸味を配する。

この相互関係は、病の進行の形を示してもいます。
病の進行を予測して、未然に防止する対策をとるための根拠になるものでもあります。

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