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2009年2月 7日 (土)

苦味の食能

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。健康情報を主体に書いて行きます。

酸味の食能に続き、五味調和の二つ目の話は、苦い食べ物の役割についてです。

 にがい味で消炎と固める作用があり、心臓によい。

  ┌温 よもぎ・ふき・たらの芽
苦┼平 うど・ぎんなん・春菊
  └寒 お茶・ビ-ル・たけのこ

薬には苦くて飲みにくいものが多くても、古来良薬は口に苦しと言われていますが、食物では苦味のものは敬遠されます。
しかし懐石料理の名人、京都の辻嘉一翁は「甘味の料理は未熟な料理人でも調理できるが、苦味を活かした料理こそ達人の料理である」と言われました。
中国の本草学では、「苦味の食物や薬物には、強心・消炎・止血・解熱・鎮痛・利尿の諸作用があり、また幅広い薬効もあり、心臓がオ-バ-ヒ-トした時や、血液障害などの人体の熱症を冷ます寒性を持っている」と、欧米民族間では開発されていないユニ-クな陰陽寒熱による薬理学を提唱しています。
 
近代医学でも強心薬として使用される薬物は、苦味配糖体や苦味のアルカロイドが主力でいずれも利尿作用を併せ持っています。
陰陽論の原理から、苦味のものは、ひきしめたり、固める作用があり、苦汁が大豆湯を固めて豆腐になるように、血液が凝固して止血作用が現れるのです。

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