« 酸味の食能 | トップページ | 苦味の食能 »

2009年2月 6日 (金)

五味調和

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。健康情報を主体に書いて行きます。

食養生の基本、五味調和の原則についてのおはなしです。

古来、中国では「薬食同源」と云い、体を治す為に薬と同様に食を重視しました。
五味とは酸・苦・甘・辛・鹹(さん・く・かん・しん・かん)の五味が、どの臓腑器官にどう作用するのか、五性とは寒・熱・温・涼・平の五つに効能を分けて、温めて機能を亢進させるもの、冷やして炎症を静めるものなど、あらゆる薬材、食材の効能を五味五性で規定し、五味調和の原則に基づいて、健康を回復する食事は調理され、病気を治す薬は調剤されました。

冷え性のものには暖まる食品を与え、熱症状の体質には冷やす食品を調理するのが寒温の調和です。
また、肝と腎の両方が弱っていれば、酸鹹二味の食材料を寒温整えて調理します。
.体に本当に良いものは舌が美味しいと感じます。
.中国料理が世界一美味しい秘密はここにあり、治療食・健康食として「薬膳」が注目されているのは当然と言えます。


*酸味(さんみ)は、収斂作用があり、肝・胆・目に良い。
   りんご・梅・ゆず等血液の流れをサラサラにし動脈硬化や梗塞を防ぎます

*苦味(にがみ)は、消炎と固める作用があり、心臓によい。
よもぎ・うど・お茶等充血炎症や心臓のオーバーヒートを和らげます。

*甘味(あまみ)は、緩める作用と滋養強壮作用があり脾胃によい。
うどん・米・砂糖等いわゆる旨味の中心で体の栄養になります。
甘味を体に合わせて上手に摂取する為には調和が必要です。

*辛味(からみ)は、発散作用と体を温める作用があり肺・大腸によい。
生姜・ねぎ等香りのものスパイスやハーブでくしゃみ、鼻水、鼻づまり、皮膚病、腹が冷える方や、便秘しやすい方はタップリお摂り下さい。

*鹹味(しおからみ)は、軟らげる作用があり、腎・膀胱・耳・骨によい。
めざし・わかめ・食塩等小便を出すためには塩が必要です。
多からず少なからずです。

五味の関係を知って、食べる時は単味ではなく最低二味を組み合わせます。
例えば辛味の代表お酒を呑む時は、その害を防ぐ呑み方は、肴に相剋の酸味のものをとって肝を守り、更に辛から見て子の位置の腎膀胱に害が及ぶのを防ぐために鹹味のものを食すことです。
現に日本酒好きの人は、酢のものや塩辛を好みます。
またメキシコの強い酒テキーラは、レモンに塩をつけて齧りながら呑むのが常道です。
これらは正に三味配合の実行そのものと云えます。

五味調和の図はこちらです。

Gomi2

|

« 酸味の食能 | トップページ | 苦味の食能 »

食養生」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 五味調和:

« 酸味の食能 | トップページ | 苦味の食能 »