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2009年2月19日 (木)

薬局で認知症チェック(2)

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。健康情報を主体に書いて行きます。

今、認知症に汎用されている医薬品は、塩酸ドネペジル製剤で、世界で承認されている医薬品の中では最も効果が高いとされています。
日本で年間数百億円の売上だそうです。
患者の多さが反映されている数字です。
これで顕著な回復があればいうことなしですし、進行が止まるだけでも意義があると思いますが、残念ながらこの薬の効果の持続は数ヶ月と聞きます。

漢方でもとても難しい疾患なわけです。
物忘れ、記憶力・追想力が障害されていることを、「喜忘(きぼう)」「健忘(けんぼう)」などと呼んでいます。
「痴証(ちしょう)」や「狂(きょう)」という表現が認知症に該当することもあると思います。

物忘れや認知症に対して漢方は、頭の問題以外の全身症状にあわせて対策をとっていきます。
当帰芍薬散、黄連解毒湯、抑肝散、帰脾湯、などがよく使われ、瘀血を排除する駆瘀血薬を証に応じて加味するなどして様々に対応していきます。

最近のサプリメント類では、脳血流改善作用や物忘れ防止の作用があるとして、イチョウ葉、DHA、EPA、フォスファチジルセリン(脳に含まれるリン脂質)、ビンカマイナー(ヒメツルニチニチソウ)、フェルラ酸などを配合した健康食品が市販されています。
ウコンが認知症に有効との報告もありました。
これは、8月27日の漢方なブログでとりあげました。

マサキ薬局が特に注目しているのは、フェルラ酸です。
フェルラ酸には、アルツハイマー病の原因物質とされている、β-アミロイドというタンパク質の悪い作用を抑制する作用があることが判ってきています。
フェルラ酸は、米や麦の細胞膜に存在する成分で、今は糠として利用されていない部分に含まれているので現代人は、古人より摂取量がうんと少なくなっています。
この事とアルツハイマーが増加している事とが関係しているといわれています。

アルチーマ普及会のサイトに詳しいので、詳しくはそちらをご覧下さい。

フェルラ酸を含むものには、ANM176、 アルチーマJ という名前の健康食品が市販されています。

昨年暮れの、Geriatric Medicine (老年医学)12月号に、「Ferulic acid とgarden angelica 根抽出物製剤 ANM176 がアルツハイマー病患者の認知機能に及ぼす影響:中村重信ほか」という薬剤治験が発表されています。
12名の専門医による、143名のAD患者の臨床治験で、フェルラ酸の効果が確認されたという論文で注目されています。

マサキ薬局で相談をお受けしてフェルラ酸を使っていただいた多くの方にも喜ばれています。

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