屠蘇散(とそさん)
ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。健康情報を主体に書いて行きます。
昨日書いた七草粥を食べるのは正月七日ですが、元旦に呑む伝統が続いているのが屠蘇酒です。
一家そろって屠蘇を酌み交わし、新年を祝うというのは、日本のどこの家庭でも見られる元旦の光景です。
この屠蘇とは何なのでしょうか。
いつからどういう意味で行われてきたのでしょうか。
日中医薬研究会のサイトの掲示板に、渡邉武先生の解説があります。
屠蘇散は中国の三国時代の名医の華佗(かだ)が作った漢方薬と云われ「邪気を屠(ほう)り魂を蘇(よみがえ)らせる」と云われるところから屠蘇と名付けられました。
年の始めに飲めば、その年は災厄を避けられて幸福を招くと伝えられています。
日本には今から1190年前の弘仁二年(811年)中国の蘇明が来朝の時伝えたもので嵯峨天皇が四方拝の御儀式の後に御用いになったのが始まりで、以後今日まで民間でも天皇に習い、元旦に一家の無病息災と幸福を迎えるために服用しています。
処方は気剤として桂皮・山椒・防風・酒、水剤として赤小豆・蒼朮・土伏苓・桔梗・烏頭、血剤として大黄から構成されて、健胃・整腸・利尿・鎮咳・去痰・防腐・解熱・解毒・発散などの効果があり、水毒を去り保温の効果が顕著です。
日本では烏頭の毒性を怖れて省いていますが、本来烏頭は今年の干支の玄武で、北の守りの寒さ避けの主藥ですから、無毒化された生薬を使えば、冬の保健薬としての藥効を強化するものです。
当方は十余年前に漢方を教えた薬剤師の先生が鹿児島で開局し、その時教えた処方で自家製の屠蘇を患者さんに配布したと、暮れに送ってくれましたので、数多い屠蘇散の中から今年はそれで正月を祝いました。
マサキ薬局のホームページにも載せていますのでご覧下さい。
| 固定リンク
コメント