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2009年1月21日 (水)

小腸内視鏡(8)消化管出血

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。健康情報を主体に書いて行きます。

小腸などの検査入院顛末記のつづきです。

12月12日に退院しましたが、発症10月11日ですから、2ヶ月かかったわけです。

3病院にお世話になり、その間入院していたのは丁度半分の30日でした。

消化器に問題が起こったのですから、どんな食事を摂るか重要問題です。

最初に入院した病院では、入院していた6日間全て禁食。

2番目のスズキ病院は、検査に消化器を空っぽにして臨むため、入院6日間で絶食は2日間ありました。

食事を摂れる様になってからの内容は、5分粥で1日1200㌍、塩分9gの設定でした。

3番目の日本医大病院の食事は、低残渣食でお粥かパン、塩分7㌘、1800㌍の設定でした。

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12月11日の朝食
パン(ジャム)、チキンスープ、和風サラダ、ヨーグルト、ゼリー

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12月11日の昼食
粥、カレイ照り焼き、青梗菜卵とし、プリン

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12月11日の夕食
玉子粥、すまし汁(麩)、出し巻玉子・サラダ(ノンオイルD)、焼たら(人参・大根添え)、ミカンゼリー、リンゴジュース

日本医大の通常食の場合、栄養素の配分比率は、
  糖質       55%
  タンパク質  15~20%
  脂質      20~25%
となっていると聞きました。

kiyohikoのいつもの家庭での食事とはずい分違っています。
カロリーと塩分が大違いです。
カロリーは日常の半分、塩分も半減近いと思います。
栄養素に関しては、脂質が激減です。
カロリーの高い油類は使う量が少なくなり、揚げ物や炒めものも少なくなるのでしょう。

こんなに違うと、口になじまず美味しくないはずなのですが、塩辛さも薄く感じず、意外においしいのです。

考えてみました。

入院中はベッドで寝ているだけで汗をかく運動をしません。
食事の量が少なく、間食もしないし、水分を欲しません。
従って水分の摂取量が日常よりずっと少なくなっています。
余分な水が体にたまりません。
水滞の状況が生まれないのです。
汗や尿で水分を排泄するのには塩分が必要です。
余分な水が体に少ない状態なら塩分摂取量は少なくて問題ないということなのでしょう。

うす味といえば、京料理の特徴のひとつです。
なぜでしょうか。
京都はお公家さんの社会でした。
京料理はお公家さんの料理から派生してます。
お公家さんは肉体労働をしませんから、上の理屈から云って塩分摂取が少なくてよいわけです。
そのため京料理は薄味になったと説明することができます。

入院して体を休め、病院給食の食事をしていると、体に変化が起こってきました。
まず血圧です。
平常は、上の血圧が150前後、下の血圧が90前後でなのですが、入院すると日毎に数値が下がっていきました。
最終的には、上が110代、下が70代になりました。

その他肝機能、高脂血症関連の検査項目なども軒並み良くなってくるのです。
臨床検査技師の方が、「入院して短時間に数値が良くなりますね」感想を話してくれました。
日頃体調管理の漢方薬を常用しています。
また不摂生をしたときは、すぐに毒消しの漢方薬を服みます。
これが効いていて、節制するとすぐ改善するのだと解釈しています。

もう一つの変化は、お腹の調子、便の状態がとてもよくなったことです。
排便が快調で、固さ、大きさ、色的に健康な便になったのです。
この要因はひとえに、脂質の摂取が少ないことにあると考えています。
脂質・油ものの摂取量が多いと、便はやわらかくなり、更に多くて腸の水滞が加わるとヘドロ状の便になります。
不摂生をして飲みすぎ食べすぎでそういう状態がよくあったのですが、入院以後現在はなくなりました。
これは退院後も入院で学習したことを継続実践しているおかげでしょう。

1月9日に最終診断結果を聞きました。
11月末の時点では、内視鏡で小腸に潰瘍、炎症などの異常が見られなかったというのです。
10月の時点で大腸内視鏡に映っていた異常なものはなくなっていたのです。
この1ヶ月で自然に治癒したということなのでしょう。
クローン病その他の疑いもないことが確認できている。
ということで、無罪放免と相成りました。

入院中の加療は、絶食して消化管を休ませ、栄養は点滴で補給する。
点滴の中に止血剤を混ぜるということぐらいしか方法はありません。
養生に気をつけて自然治癒力で快復するのを見守っていくという経過でした。

自然治癒力が治癒の大きな要因なわけですから、11月の一月間は、自然治癒力を助けるにはどうするかが問題と考えました。
漢方薬、保健薬の活用に頭をつかいました。
その効果が大きかったのだろうと考えています。
それについては、つぎの機会にゆずります。

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