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2008年9月28日 (日)

食のたからもの再発見プロジェクト写真展(2)

ふじみ野市 マサキ薬局 の 漢方なブログです。健康情報を主体に書いて行きます。

食のたからもの再発見プロジェクト写真展と聴講したオープニングレクチャーの続きです。

今回のレクチャーの講師は、「スローフードな人生!(新潮社)」の作者、島村菜津さんでした。
初めてお目にかかる島村さんはとても魅力的な方でした。
そして90分の講演は、思わず引き込まれてしまう素晴らしいものでした。
今回の企画で東京財団のこのプロジェクトを知り、ネット上に公開されている報告を読みました。
今回の講演に限らず、食のたからもの取材レポートは、素晴らしいレポートのオンパレードです。
普通のメディアで日常よく見聞きする、それなりにおもしろい旅やグルメのレポートとは質が違うのです。何が違うのでしょうか。
それは、取材対象の人物が魅力に溢れた人たちである上に、その描写や報告がその魅力を深く掘り起こして伝えているからなのだと思います。
取材する人の視点、眼力、感受性、そして表現力といったものがまるで違うと感じるのです。
仕事の時間を割いて聞きに来た甲斐がありました。

焼畑かぶの紹介のほかに、存亡の危機の瀕している地大豆の普及に腐心している豆問屋経営者の山口博氏(東京練馬)に島村氏がインタビューするという形式をとったディスカッションが30分ありました。

大豆はもともと黒船来航のペリーが日本から持ち帰ったもので、今やそのアメリカが世界最大の生産国となり、最大の輸入国が日本です。
遺伝子組み換え大豆はアメリカ作付面積の8割を超えているといいいます。

大豆のエネルギーベースの自給率は5%。

昔、東京に3500軒あった大豆問屋が今は、900軒。

大豆の輸入量は、500万トン(飼料、油用を含め)

今年の国産大豆の生産予想量は、20万トン。

食用に関しては、国産大豆は、20%まかなえている。

その95%は豆腐製造メーカ向けだそうです。

吉田氏はアメリカから非遺伝子組み換え大豆を輸入している。
米国の契約してくれる農家を自分で見つけ出し契約した。

一般の大豆は、特性として、高蛋白のものは低脂肪、高脂肪のものは低蛋白がふつう。
日本の地大豆は、高蛋白で高脂肪という栄養価的に秀でた特徴を持っている。

などから始まり、地大豆振興の取り組み、活動の興味深い話が続きました。

大豆レボリューションと名付けた活動をしている、NPO法人「トージバ」というのがあることを知りました。
10月19日には日比谷公園で、種まき大作戦というイベントを開催するそうです。

講演終了後に、地大豆で作った豆腐の試食をさせてもらいました。
P1000299 池袋の大桃豆腐というお店の製造で、大豆と天然ニガリだけで無添加。
しょう油も生姜もなしで味わうと、豆腐の素の味がわかります。
甘味がちがう絶品。

写真は、試食品が並ぶテーブル。

その他、茨城県産・国産小麦粉、国産菜種油などの展示販売がありました。

菜種油の自給率は、なんと、0.03%ということです。

「食べ支える」ことの意味を感じ取りました。

1缶買い求めました。貧者の一灯?。

大豆は重要な漢方薬でもあります。
漢方薬としての名前は、香鼓(こうし)といいます。
桑の葉に黒大豆を詰めてつくる干し納豆。
浜納豆や大徳寺納豆に似ています。
香鼓は、薬味薬性が甘寒で水剤と規定されています。
汗を発し、中を整え、煩を除く作用があり、山梔子(さんしし=くちなし)と組み合わせた梔子鼓湯(しししとう)という名方があります。

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