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2008年6月13日 (金)

減塩食はかえって心臓に悪い

ふじみ野市 マサキ薬局の 漢方なブログです。健康情報を主体に書いて行きます。

減塩食はかえって心臓に悪い(Yahoo!ヘルスケア -)

減塩食は、塩分を多く摂取するよりも心臓に悪いという驚くべき結果が新しい研究で示され、医学誌「Journal of General Internal Medicine」オンライン版に5月9日掲載された。この報告を行った米アルバート・アインシュタイン医科大学(ニューヨーク)疫学准教授のHillel W. Cohen博士は、「減塩食は『無害である』と一概にはいえないことが示された」と述べている。

Cohen氏らは、1988~1994年に米国人8,700人を対象に実施された米国民健康栄養調査(NHANES)に着目。被験者はいずれも30歳以上で、特別な減塩食を実行している人はいなかった。2000年までに被験者に生じた事象について調べた結果、喫煙や糖尿病などの影響を考慮して統計結果を調整した後も、塩分の摂取が最も少ない25%に属する被験者は、摂取が最も多かった25%に比べて心疾患による死亡リスクが80%高かった。

Cohen氏は、一部の人にとって塩分が有害であることを無視するつもりはないとしている。心疾患予防のためには減塩食をと言われてきているのは、塩分を多く摂取することと高血圧に関連があるからである。しかしながら、多くの研究から、塩分摂取による血圧の変化が極めて軽度(modest)であることが示されている点をCohen氏は指摘し、血圧が正常で健康な人に減塩を勧めることへの疑問を投げかけている。今回の研究では、塩分摂取が何らかの別の因子を反映している可能性もあるが、研究グループはその可能性もできる限り考慮したという。

米ブリガム・アンド・ウィメンズ病院(BWH、ボストン)のHoward Sesso氏は、既存の疾患が隠れた因子となっている可能性を指摘する。被験者は、心疾患や高血圧、糖尿病であったために塩分摂取を控えたのかもしれないが、そういったことが考慮されていない可能性があるという。塩分の害に関する研究では、さまざまな結果が示されており、「血圧の正常な人は塩分の摂取を続けてもよいが、適度(moderation)を心がけ、最も大切なのは食生活全体であることを心に留めておく必要がある」と同氏は述べている。

高血圧学会の前理事長 藤田敏郎先生は、食塩の摂取量を減らせば血圧は下がりますが、その程度は人によって異なることがわかってきました。同じ高血圧の人でも、減塩によってよく血圧が下がり、食塩負荷で血圧が上がる食塩感受性高血圧と、その一方、減塩では血圧の下がり難い、また塩を負荷してもあまり上がらない食塩非感受性高血圧があることがわかってきました。すなわち、減塩の効果は人によって異なるということになります。 と述べています(学士会会報2000-Ⅳ)

平成9年4月13日の読売新聞では、コレステロールの記述の後に、「高血圧の”元凶”とされた塩分についても、見方が変わりつつある。藤田敏郎教授の研究では、塩分摂取量の大幅な増減で10%以上の血圧変化がみられた人は、約半数だった。ここでも人によって感受性が違い、二人に一人は、塩分とは無関係だという。藤田教授は『急激な減塩で、食欲を落とす方もいます。お年寄りの場合は、親しんだ味を維持し、血圧を下げる効果のあるカリウム、マグネシウムを多く含んだ豆腐、バナナなど果物を取ったほうが良い』とアドバイスしている」とありました。

では漢方では塩をどう考えているかです。

わが漢方の師の渡辺武薬学博士は、化学塩ではない天然の塩を使用して、漢方式食養生を行う上では、減塩は間違いであると述べています。

「鹹味(かんみ=塩から味)の食べ物は塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウムなどミネラルの多い食べ物です。それらは人体の腎臓・膀胱の泌尿器の働きを補い、骨髄を健強に保ち肝胆の働きを活発にし、肺・大腸や皮毛や呼吸器の働きを助け、脾臓と肌肉に有益に作用します。」

「ただし塩分は、心臓循環系に負担をかける欠点があるので、食物の調理には、心臓のオーバーヒートを抑える、苦味を添えることが大切です。」

「塩分の不足した人は、行動がスローモーになり、筋肉の活動が低下し、頭脳の働きが鈍くなり、しまりのない人となり、ついには赤ちゃんか、恍惚の人のように、涎を垂らすことになります。涎は人の排泄する体液の中で塩分が最も少ないものだからです。」

「最近の食塩恐怖症の減塩は、水分代謝の逆流を招いて、皮膚炎・アレルギー・花粉症・浮腫・神経症などをまんえんさせています。」

「塩分がなくては、汗も小便も出せないので、皮膚や頭部や鼻から気体として水分代謝を強いられているのが、これらの疾患の一番大きな原因なのです。」

そして、「日本の現代生活と腎・膀胱の危機」と題する図を使って腎膀胱を守る事の大切さを繰り返し説明しておられました。

「適切な塩分摂取量という事に関しては、その人の生活条件・環境、労働量で変わって来るので一概に決める事はできない。労働量の少ないお公家さん用の京料理は薄味になっているし、労働量の多いお百姓さんの、しかも腎に負担がかかる寒い地方の食事はしょっぱくなっていることをみれば納得できるでしょう。」とわかりやすい説明でした。

現代医学で塩を研究するときには、化学塩と天然塩の両方を使って調査をしてもらいたいものです。はっきり有意差のある結果が出るはずです。

ちなみに、我が家ではもう30年、自然海塩 ゴールド海の精を愛用しています。

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